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大宮のIT系社員が副業でシフト自動作成サービス 複雑なシフトも

益子さんとシフトバランサー

益子さんとシフトバランサー

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 大宮に本社のあるIT企業社員の益子奏恵さんが、店舗シフト自動作成サービス「ShiftBalancer(シフトバランサー)」を開発し、10月上旬、サービスの運用を開始した。

シフトバランサーの管理画面

 遺伝的アルゴリズム(GA)を使用し、店舗側、スタッフ側の双方の希望をできるだけ取り入れたバランスの良いシフトを自動で複数提案する同サービス。

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 益子さんが働くコミュニティコムは、ウェブ制作やWordPress(ワードプレス)のテンプレート開発などを手掛ける傍ら、2013(平成25)年からコワーキングスペース7F(ナナエフ)を運営している。益子さんが大学生のアルバイトとして関わり始めた当初は、受付スタッフの数も数人で、1人体制。シフトを組むのはさほど大変な作業ではなかったという。コワーキングスペースの利用者が増え、貸会議室・シェアオフィスの運営も加わると、受付の仕事が増え、2人体制となった。アルバイトの数も30人近くとなり、シフトの作成が何倍もの時間を取るようになったという。益子さんは「シフト作成は複数の条件を同時に満たす必要があるので、熟練者でないと最適なものができない。店長クラスのスタッフの作業時間をシフト作成に長時間充てるのはもったいないと感じていた」と話す。

 既存サービスを利用しようと探したものの、導入予算と仕様が合わず断念。「それならば自分で作ってしまおう」と思い立ったことをきっかけに、今年初めから最適化計算に明るい知人エンジニアと開発を始めた。実際に、コワーキングスペースで試験的に運用を開始、数カ月継続して利用してもらい「非常に楽になったと聞いている」と益子さん。

 「比較的単純な交代制シフトなら、いろいろな最適化手法があるが、単純交代制ではない複雑なシフトを自動作成するにはモデル化手法の新規開発が必要だった。平日夜と、休日の一部を使い、知人と二人で開発を進めてきたので、まとまった時間を捻出するのが大変だった」とも。

 現在、益子さんは妊娠中。「近い将来、出産・子育てのためにキャリアが一時的に中断することを想定して、出産前にサービスがリリースできるように準備を始めた。働く女性にとっては、『キャリアを中断せず、在宅でできる新しい働き方』の選択肢の一つになるのではないか、と感じている。もちろん会社や周りの方々の多大な助けがあったから実現できたこと。プライベートでのチャレンジを応援してくれる会社には心から感謝している」と話す。

 サービスリリースに当たり、なるべく気軽に使ってもらいたいと、「価格を抑え」「見積もりや資料請求をする必要もなくアカウントの登録だけですぐに使い始められる」ようにした。「自分で何かを開発したのは初めてで『ユーザー目線に立つこと』の大事さを実感した。これからサービスを運用しながら課題も多くでてくるはず。『運用を通して得た新たな知見を、本業のどんな場面に活かせるか』を考えながら運用していきたい」と意気込む。