「第1回SAITAMAなんとか映画祭」が3月20日・21日、さいたま市内の複数会場で開催された。
「SAITAMAなんとか映画祭」のMOVIXさいたま会場で上映された映画「漫画誕生」
さいたま市の地元有志らが立ち上げた地域活性・住民参加型の同映画祭。地元有志と大宮区出身の漫画家・北沢楽天の半生を描いた映画「漫画誕生」の製作会社が大宮ロケで出会ったことをきっかけに映画祭を企画した。新型コロナウイルス感染防止のため、検温や消毒などの対策を実施しての開催となった。
会場となったのは大宮区のソニックシティ小ホール、まるまるひがしにほん、MOVIXさいたまの3カ所。「漫画誕生」や「映画クレヨンしんちゃん 突撃!ラクガキングダムとほど四人の勇者」など、埼玉県にゆかりのある映画の上映会などを各会場で開催した。各会場ではプログラムごとにゲストを招き、トークショーや生演奏を行った。最終日には新人監督の発掘に向けたコンペティションを開催した。
21日にMOVIXさいたまで上映された「漫画誕生」の会場には、日本初の職業漫画家でさいたま市名誉市民第一号である北沢楽天に興味を持つ映画愛好者らが市内外から足を運んだ。来場した狭山市の60代女性は「奥が深く、面白い映画だった。北沢楽天についてもっと知りたくなった」と感想を話した。
映画プロデューサーの田村昌裕さんは同作品の見どころについて「全編を埼玉県内で撮影している。楽天の菩提寺である東光寺をはじめ、氷川神社、清水園、岩槻の各所など特にさいたま市内が多く、地元の方々に楽しんで見ていただけるのでは」と紹介している。田村さんによると、今後は埼玉県内のホール上映などを行っていく予定で、配信、DVD発売も計画中だという。
上映後のゲストトークでは、蕨市出身のシンガー・ソングライター兼作曲家の小林未季さんが映画に関連する曲「あなたを想ってる~いのから楽天へ~」を歌い上げた。来場者は小林さんの歌声にじっと聞き入り、大きな拍手を送った。
実行委員会副会長でイラストレーター兼漫画家のあらい太朗さんは映画祭を振り返り「コロナ禍の中、よく開催できたと思う。映画の面白さを表側裏側といろいろな角度から知ることができて、ますます映画を好きになった」と話し、「次回以降、この面白さをもっと共有できるイベントに育て、SAITAMAの新名物として定着させたい」と意欲を見せている。