牛豚肉のホルモン専門卸「一色」(中央区本町東7、TEL 048-852-4129)の直売所が、4月で5周年を迎えた。
同社は牛豚の内臓肉専門の卸問屋として1968(昭和43)年に創業。直売所は「一般のお客さまにもホルモンのおいしさを知ってもらいたい」と、2016(平成28)年4月1日に本社脇に開設した。鮮度が良く、スーパーでは手に入りにくい希少部位が100グラムから手軽に買えると近隣住民などの口コミで評判が広がり、毎月29日の特売日には200組以上が来店することもあるという。
新型コロナウィルス感染症の影響で卸先の飲食店が休業するなど、卸部門が大きな影響を受けている一方で、直売所は売り上げが増えているという。営業統括部長の竹内洋記さんは「卸先が休業しても、市場から入ってくる肉を捨てるわけにはいかない。品質の良いホルモンを一般消費者へ届けたい」と話す。直売所責任者の成田裕一さんも「一度食べてもらえれば、おいしさはわかってもらえると思う。現在、来店してもらえているお客さまにこれからも支持してもらえるように、品質向上に努めたい」と意気込む。
家庭向けの需要に応えようと、手軽に食べられる新商品の開発にも力を入れる。開発を担当する商品開発部の主任を務めるのは、2020年3月まで同社直営のホルモン焼き店で店長を務めた木村剛さん。「プロならではの経験を生かして、他では食べられない商品を届けたい」とほほ笑む。おすすめのガツ刺し(250グラム=600円)は、解凍するだけで食べられる。
冷凍の特製スープと鍋用もつ300グラムのセット(1,400円)も、牛の小腸とシマチョウ(大腸)がたっぷり味わえると人気の商品。スープは、直営店「牛もつ鍋・串揚げ 礼(れい)」(さいたま市浦和区高砂2)の佐藤佳彦店長が手掛ける。しょうゆ味と塩味の2種類を用意。店と同じ味を家庭で楽しむことができる。
新商品を増産しようと、本社駐車場の敷地に第2工場の建設を進める。新工場が稼働する秋ごろからインターネットでの通信販売も計画している。木村さんは「ホルモンはどう調理すればいいかわからない人も多いと思う。下処理などの手間をこちらがまかなうことで、家では出せない店の味を、全国の家庭で手軽に味わってもらえれば」と期待する。
直売所の営業時間は、木曜・金曜=12時~17時、土曜=9時~16時。5月27日~29日は5周年セールを行う。冷凍の加工商品は「牛もつ鍋・串揚げ 礼」店頭でも土曜限定で販売する。販売時間は11時~17時(売り切れ次第終了)。