大宮の喫茶店「喫茶湊」(さいたま市大宮区天沼町1)が、7月26日、2周年を迎える。
店主の大熊亜生さんは大学卒業後、「自分の店を持つ」ことを目標に県内のカフェや都内の洋菓子店など3店で製菓を中心に8年ほど修業。2019年7月に、現店舗をオープンした。大熊さんは「元々カフェや喫茶店が好き。『カフェ』という言葉には『開(ひら)けた』印象があり、自分の店として、カフェよりも落ち着いたイメージの『喫茶店』を作りたかった」と言う。「『湊』には、『船着き場』や『人が行き交う場所』という意味がある。誰かにとって、『帰ってくる場所』、『出発する場所』、『一息つく場所』でありたいという思いを込めた」とも。
元々は食事も可能だったが、コロナ禍の現在は軽食とデザート、ドリンクにメニューを限定している。大熊さんは「デザートは、その時期の旬のフルーツを使うことを大切にしている。月に一度を目安にメニューを入れ替えている。食事メニューを休止している分、デザートをより充実させているので『選ぶ楽しみ』『いつ来店しても新しいデザートに出合える喜び』を味わってもらえたら」とほほ笑む。店名を冠したドリンク「湊ソーダ」(650円)は、鮮やかな青とナタデココの食感が特徴的。大熊さんは「喫茶店といえば『コーヒー』、『紅茶』、そして『クリームソーダ』があるというイメージ。クリームソーダを『湊らしい形』で提供したいと思いアレンジを重ねた」と話す。
開店当時には14席あった座席は、感染症対策のため現在、10席に減らして営業。翌週の営業日を週に一度公開し、1組上限2名で1時間という利用制限の下、インターネット上で予約を受け付けている。大熊さんによると「コロナ禍以前はありがたいことに行列が続き、お客さまや近所の方にも迷惑をかけていた。現在の対応は感染症対策が目的ではあるが、待ち時間なく確実に入店でき、落ち着いて過ごすことができると、むしろ好評」と言う。
オープン2周年を迎えるが、記念のメニューやフェアは特に予定していないのを大熊さんは「自分の中では、『まだ2年』という感覚であり、めでたい節目というよりもいつも通りのことを変わらず続けるのが大切な時期だと捉えている。お客さまには直接、感謝を伝えたいが、『記念日』として祝うのはもう少し先の楽しみに取っておけたら」と話す。迎える3年目については、「一日一日を丁寧に積み重ねることで、店を長く続けていたい。お客さまが思い立ったとき、いつでも選択肢の一つになり得る店であれれば」とも。
営業時間は11時30分~17時(金曜・土曜・日曜は18時まで)。不定休。