大宮の「UP COFFEE」（アップ コーヒー）（さいたま市大宮区吉敷町2）が8月15日、1周年を迎える。

客の声に応えて開発した「カリモチ米粉ドーナツ」

　店主の溝口奈々さんが有名コーヒーチェーン店に14年間勤務した後、自身の育児経験を生かして子連れ客が安心できる空間を目指しオープンしたという同店。授乳室やおむつ替え用ベッドを備え、お絵かきが楽しめるキッズスペースも設置している。溝口さんは「当初描いたイメージ通り、この一年でたくさんの家族に立ち寄ってもらえた。近所のママに息抜きの場として日常的に利用してもらえることがうれしい」と話す。1歳の子どもを連れて来店していた女性は「出産後、仕事に出られない状況に行き詰まりを感じていたが、ママでありながらも働く溝口さんらの姿に『母であることもキャリアに活用させられる』と気付かされ、いつも元気をもらっている。週1回以上の頻度で来店している」とほほ笑む。

　通常メニューは、エスプレッソ系ドリンクのほか卵・乳製品を使用せず植物性原料のみで作るヴィーガンスイーツが中心。アレルギーの多くに対応する。

　一方で、溝口さんは「これまで提供していた焼き菓子には小麦粉を使用していた。小麦アレルギーを持つ子どものママから『家族全員が同じものを味わいたい』と言われても、応えられるものがなかった」と話し、8月1日から同店初となる米粉を使用した「カリモチ米粉ドーナツ」の販売を1周年記念メニューとして開始する。溝口さんは「このドーナツで、どんな家族にもそろって笑顔になってもらえたら」とほほ笑む。

　記念メニューと併せて提供する1周年限定メニューには、エスプレッソに炭酸水やシロップ、かんきつ系のフルーツを組み合わせた「ゴクゴクエスプレッソシトラスソーダ」を用意する。溝口さんは「真夏の1周年に来店するお客さまにビールのようにゴクゴクと飲んでもらうことで、喉ごしまで楽しんでもらえたら」と話す。

　1周年に合わせ、8月14日から記念の巾着を100枚限定で販売するほか、24日には北浦和のヘアサロン「TOMOS」（トモス）の美容師による「親子ヘアアレンジ体験」も行う。溝口さんは「どの企画もこの店ならではの『ママ』や『親子』に楽しんでもらう目線を大切にしている」と話す。「巾着は、ママの荷物整理や子どものマイバッグとして使いやすい大きさやデザインで企画。ヘアサロンとのコラボイベントでは、作家が製作したアクセサリーの販売も行う。カフェへのお出掛けもイベントへの参加も、日頃は自分のために時間を割きにくいママが心躍る時間であってほしい」とも。

　溝口さんは「この一年は想像以上に多くのお客さまの来店に感謝で一杯。見知らぬお客さま同士が店で過ごすうちに、自然につながっていく様子も大きな喜び」と話す。「今後は、『コーヒー』『この場所』という枠組みからさらに一歩外に踏み出し、『お客さまが家に帰ってからの生活まで豊かにする』きっかけをもっと提供できるように他店とのコラボや物販の幅を広げていけたら」とも。

　営業時間は10時～16時。月曜・火曜定休。