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見沼田んぼに唐辛子専門農園 女性3人が新規就農、クラウドファンディングも

唐辛子栽培で農業法人を立ち上げた「合同会社十色(といろ)」代表のサカール祥子さん

唐辛子栽培で農業法人を立ち上げた「合同会社十色(といろ)」代表のサカール祥子さん

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 今年3月に唐辛子栽培で農業法人を立ち上げた「十色(といろ)」が7月30日、クラウドファンディングを始めた。

見沼田んぼで栽培を開始した唐辛子専門農園

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 元々、さいたま市の見沼田んぼ周辺地域で農福連携の活動を進めるNPOで、農体験イベントを企画・実行する役割を担っていた女性3人が、新型コロナウイルス感染症の影響などで自ら採算の合う形での農業に取り組みたいという思いから、十色の代表のサカール祥子さんが就農し、合同会社設立に至った。

 世界で3000種類以上あるといわれる唐辛子は激辛料理ブームもあり、生の新鮮な唐辛子のニーズが高まっている。江戸時代の文献などでは、見沼田んぼで唐辛子が作られていた記録はあるが、現在は見沼田んぼで唐辛子を中心に栽培している農家は無いことから「チャレンジしがいがある」と思い、栽培を始めたという。立ち上げた女性は3人共、世界中を旅した経験があり、世界中で唐辛子が使われていることを目にしたことも唐辛子栽培を選んだ理由だという。

 サカール祥子さんは「修業していたころから一貫して、農薬・化学肥料を使わない農業を実践してきた。唐辛子は、その辛さから害虫がつきづらいため、私たちの農法にも合っている。農薬を使わず、堆肥などを使う田畑には多種多様な生き物・植物が共生している。多様性のある見沼田んぼの魅力を伝えていけたら」と話す。

 現在は、4反(4000平方メートル)の農地で13種類の唐辛子を栽培しているが、今後、100種類以上の唐辛子栽培を考えているという。

 「稼げる農業を目指し、継続して続けていき、農地を広げていくことで、耕作放棄地を減らしていければ。農薬・化学肥料不使用で育てれば、多能性のある土地を次の世代に残すことができる。人手が必要な際は近隣のNPOなどに作業を依頼することで、彼らの活躍の場を作り出すことができる。見沼田んぼでの活動が認知され、もっと多くの人が立ち寄る場所にしていきたい」とも。

 新規就農に当たって、土壌整備のための肥料の購入、農機具の購入、作業場の整備、栽培品種の苗の確保、販路拡大のための袋やシールの製作などで費用が掛かるため、クラウドファンディング(キャンプファイヤー)で協力を呼び掛けている。リターンには、栽培された唐辛子のセット、コラボ商品、オンライン料理教室、イベント参加などを用意している。

 クラウドファンディングは8月25日まで。

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