東武アーバンパークライン・七里駅近くの豆工房Coffee Roast Akane(コーヒー ロースト アカネ)(さいたま市見沼区風渡野)が11月6日、1周年を迎える。
店主の瀬田幸司さんは東京・月島出身。店名は瀬田さんの父が20年ほど前まで東京の東銀座で営んでいた喫茶店「茜」にちなむ。喫茶店を閉めた後は八丁堀で父親が経営していた手打ちそば店「如月」で働いていたが、コーヒーに携わる仕事がしたかった瀬田さんは父のつてで焙煎(ばいせん)専門店「まほろま」(神奈川県川崎市)で修業。妻の実家があるさいたま市での開店にこぎ着けた。
9坪の店内には20種類以上の生豆が入った木製のたるを並べ、240グラム850円から4,500円で提供する。客の好みに応じて瀬田さんがお薦めの生豆を選び焙煎する間には、試飲でコーヒーを1杯提供している。瀬田さんは「『焙煎したてのコーヒーがおいしかったよ』と言われるとうれしい。お客さまにまた来たいと思ってもらえるように、一回一回丁寧に焙煎していきたい」と話す。
大宮から2週間に1度通っているという客の大橋淳也さんは「Akaneでコーヒーをもっと好きになった。妻がインスタグラムを見て店を知り通うようになった。モカイルガチェフが好き」と話す。
店内には赤道を挟んで南緯25度から北緯25度のコーヒーベルト地帯の地図を飾る。瀬田さんは「地図を見て、コーヒー豆が作られた国に思いをはせるのも楽しいと思う。お薦めは、コロンビアのエメラルドマウンテン、エチオピアのモカイルガチェフ、パプアニューギニアのパラダイスプレミアム、キューバのクリスタルクイーンなど。珍しい品種はウイスキーのたるで熟成させたというバレルエイジド。冷めるほどにウイスキーの風味が増してくる」と話す。「家でいれるコーヒーをもっとおいしくできることを実際に飲んで感じてもらえたら。目の前で焙煎するのはパフォーマンスではなく、おいしくコーヒーを飲んでもらうための方法の一つだと知ってもらい、コーヒー好きの裾野を広げていけたら」とも。
店のロゴを入れた木製の看板や花瓶、店内で使用するマグカップなどは、店を通して知り合った地元の来店客がハンドメイドで制作してくれたもの。瀬田さんは「今後は近隣で陶芸や木や花などで作品を作る人ともコラボレーションして、店を拠点に七里を盛り上げていきたい」と意気込む。
営業時間10時~18時。火曜・水曜定休。駐車場1台。11月11日から14日までは1周年記念イベントとして、コーヒー豆を20パーセント引きで提供する。(バレルエイジドなどの限定豆は対象外)