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上尾のさいたま水上公園プールで「ありがとうイベント」 年度末で50年の歴史に幕

波のプール前フォトスポットでは多くの来場者が記念撮影をした

波のプール前フォトスポットでは多くの来場者が記念撮影をした

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 「さいたま水上公園プールありがとうイベント」が12月12日、さいたま水上公園(上尾市日の出2)で開催された。

スライダープールから一望する波のプール・小型変形プールと来場者

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 1971(昭和46)年に開園し、50周年となる2021年度末で施設の老朽化のため閉園する同施設。新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年と夏のプール営業ができなかったことから、「これまで利用いただいた地域の皆さんに感謝を伝える機会を」と同施設のスタッフが企画した。

 当日は天候にも恵まれ、一般開放されたプールエリアは閉園を惜しむ来場者でにぎわった。

 普段は見ることができないプール施設の裏側を見学するミニバックヤードツアーでは、公園管理事務所管理課長の髙橋一将さんがプールの歴史と現状を説明した。開園当時は7つのプールがあったが、近年、老朽化などにより流水プール・屋内プール・大型プールが閉鎖となり、新型コロナ禍以前は、子ども用プール・小型変形プール・波のプール・スライダープールのみで営業していた。閉園に当たり「まだ利用できるのでは」と惜しむ声もあったというが、改修には多額の費用がかかり、稼働していたプールも老朽化でこれ以上営業を続けることが難しい状態だったという。

 ツアーでは電気設備や循環装置、波のプールの波を発生させる装置も公開。現在の波発生装置の主流は空気を送り出すものだが、同プールの装置は物理的に水を押し出すもの。コンピューター制御はできないため、熟練のスタッフが微調整をしながら波を作っていたという。

 子ども用プールやスライダープールでの記念撮影も行われ、参加者は思い出のあるプールを写真に収めていた。ツアーに家族と参加した上尾市在住の40代女性は「子どもの頃から夏になるとここに通っていた。自分の子どもとももっと一緒に来たかった」と閉園を惜しんだ。

 水が抜かれた波のプールの床と壁にペンキで絵やメッセージを描く企画では、来場者が思い思いにメッセージを寄せ、イベント終了時にはプールの壁一面が埋め尽くされた。

 市民団体が和太鼓演奏やフラダンスを披露したほか、さいたま水族館(羽生市)が「移動水族館」、大宮第二・第三公園(さいたま市)が「生き物調査隊」を実施するなど、会場内ではいくつものイベントが行われた。

 髙橋さんは「最後の夏のプールを皆さんに楽しんでもらいたいと2021年の夏の営業に向けスタッフ一同準備を進めてきたが、コロナ禍で営業中止となり、地域の人にもスタッフにも申し訳ないという気持ちがあった。今までの感謝を伝えることができれば」と話す。

 現在、2月末ごろまでを予定としてニジマスを放流したプールフィッシングのほか、入場無料の50周年記念写真展も行っている。

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