「ミニさいたまノース」が11月6日、プラザノース(さいたま市北区宮原町1)で行われた。企画運営はNPO法人「子ども文化ステーション」(宮原町3)。
「ミニさいたま」は「こどものまち」のさいたま市版。「こどものまち」は子どもだけが市民になれ、子どもが主体となって「まち」を作る遊びのプログラムで、ドイツのミュンヘンで1979(昭和54)年に行われた「ミニミュンヘン」が発祥。日本国内でも2002(平成14)年以降、子育て支援団体や自治体等が主体となって各地で行われている。さいたま市内では2010(平成22)年にプラザノースの市民広場で「ミニさいたま」が実施されて以降、開催区域や形式を変えながら、コロナ禍の2020年を除いて毎年実施されている。
参加者は事前に申し込み抽選で選ばれた市内在住または在学の小学生。最初に受付の「ミニさいたま市役所」で市民となり、400ハッピーを受け取る。疑似通貨であるハッピーは買い物や遊び体験の際の支払いに使え、仕事をして給料をもらうことで増やすこともできる。主な仕事は会場内に32ある店の店員。ハローワークのスタッフによると人気の職場は「しゃてき屋」「カラフルスライム」「オシャレな香水店」だという。
手作りアクセサリーショップ「HappyAY(ハッピーエイワイ)アクセサリー」の店長を務めた小学4年の増塩彩さんと川崎恵さんは、自作したイヤリングやヘアピンなどを午前と午後に300個ずつ販売した。川崎さんは「最初は売れなくて焦ったけれど、少ししてから売れ始め、イヤリングはあっと言う間に残り少しになった」と話す。
「科学ショー」ブースの店長を務めた小学5年の古川正也君と原悠馬君は科学実験の実演、体験コーナーの運営、実験キットの販売を行った。科学が好きだという原君は「いろいろな実験を通じて科学の面白さを知ってもらい、科学に興味を持ってほしい」と話す。古川君によると、実験キットは午前と午後にそれぞれ16セットずつ用意し、午前の分は開始後2時間ほどで売り切れたという。
同NPO代表理事の武藤定明さんによると、58人の子どもスタッフを含む同日の参加者は午前の部と午後の部それぞれ約300人、合計約600人。
感染症対策のため、会場内での食事を禁止し、「税務所」を無人化、1回当たりの仕事時間を短くするなどした。参加の抽選にもれた人を対象にオンライン企画も行った。
オンラインショップ「Sai(サイ)オク」の店長を務めた高校2年の太田遥都君と山越理宮君は小学生の時に子どもスタッフとして同イベントに参加し、小学校卒業後もボランティアの「大人スタッフ」として同イベントに関わり続けている。同ショップでは商品代金、送料などは全て無料。太田君と山越君はZoomを通じてパソコンの画面越しに参加者に声をかけ、商品のラインアップを紹介したり、参加者が見やすいよう商品をカメラに近づけたりして買い物をサポートした。