さいたま市内の企業8社の、SDGsに対応した新商品を合同でアピールする記者発表イベントが1月23日、大宮駅東口近くの「まるまるひがしにほん」(さいたま市大宮区大門町1)で行われた。主催は、さいたま市産業創造財団。
唐辛子を専門に栽培している十色が城北埼玉高校と共同開発した「16才の柚子胡椒(ゆずこしょう)」の発表の様子
SDGsには17の目標があり、当日は各社がどの目標に沿った製品やサービスを開発したかを5分程度で発表し、その後、各ブースでインタビューを受けた。ユーチューブによるライブ配信も行い、後日、アーカイブ動画も残す予定。
発表した商品は、環境サミットが開発した、環境保全型農法で栽培したショウガを使った「のっけ生姜(しょうが)シリーズ」、しょうがのむしが開発した発酵ジンジャーエール新商品、タクシー会社の日栄交通が空き家を活用して栽培した国産キクラゲの加工製品「いつものはごたえシリーズ」、唐辛子を専門に栽培している十色が城北埼玉高校と共同開発した「16才の柚子胡椒(ゆずこしょう)」など、4社が自社で生産している農作物を活用した加工製品を発表した。
ホープ・フィルムズが月額サブスクリプションで提供する動画・ウェブプロモーション代行サービス「#まるプロ」、ボイスクリエーションシュクルが開発した紙の教材と動画レッスンを組み合わせたボイストレーニング「目指せマイナス10歳!声の若返りドリル」、コンバート・ワンが開発した育休世代の男性の家事力を向上させる社内研修カードゲーム「爆発前夜」、ONZOが開発した中小ECサイト向けのレンタル機能としてモノのレンタル・サブスクリプション支援サービス「marvle」の4社は、自社の新サービスをアピールした。
発表した日栄交通の清水雄一郎常務は「国産キクラゲは1割しかなく、他はほぼ中国からの輸入。空き家を改装してキクラゲを生産し、加工製品としても流通ができれば空き家問題も解消され、国内生産率も上げられる。SDGsでは11番の『住み続けられるまちづくり』を目標にしており、2028年までに10軒の空き家をキクラゲ栽培プラントにしていきたい」と意欲を見せる。
十色の釘宮葵さんは「さいたま市内の見沼田んぼの遊休耕作地を活用して42種類の唐辛子を生産しており、城北埼玉高校が毛呂山町で農家の高齢化により管理されなくなった『桂木ゆず』の生産を応援する取り組みとのコラボレーションから、ゆずこしょうを開発した。SDGsでは15番の『陸の豊かさも守ろう』を目標にしていて、2025年までに4ヘクタールの農地で唐辛子とユズを栽培したい」と話す。
ONZOの知場啓志社長は「ECサイトにタグを埋め込むだけで従来の販売だけでなく、サブスクリプションでレンタルもお客さまに提供できるサービスを開発した。SDGsでは12番の『つくる責任、つかう責任』を目標にしていて、消費者行動を行動からシェアリングに変えて、あらゆるコストやロスを削減していきたい。2026年までに全国300社に使われるサービスとなることを目指したい」と意気込む。
主催したさいたま市産業創造財団の中村雅範理事長は「さいたま市は全国の中でもSDGs先進都市として注目されている。この合同記者発表会を通じて市内企業の取り組みが広く周知され、販路拡大や事業提携などにつながれば」と期待を込める。