フルーツトマトやスイートコーンなどの野菜を使った「野菜かき氷」を6月24日から期間限定で、河村屋大宮本店(さいたま市北区別所町、TEL 048-667-6733)が提供する。
同店はさいたま市北区で200年以上の歴史を持つ老舗漬物店で、今年1月に10代目社長となった染谷静香さんが野菜かき氷を開発した。大宮店では2017(平成29)年から毎年夏季限定で「かき氷茶店」を営業しているが、野菜を使ったかき氷は今回が初の提供となる。
イタリア留学経験のある染谷さんは、日本が誇る発酵食である漬物を手軽に味わってほしいという思いから、2016(平成28)年より漬物をアレンジしたメニューを「漬物カフェ」として店内のイートインで提供してきた。2017(平成29)年、漬物の漬け床に使われていた「乳酸発酵米こうじ」の甘酸っぱい風味がスイーツに合うと気づき、かき氷のシロップとして使い始めた。かき氷は夏季限定の販売だったが、週末は数時間待ちの行列ができるほどの人気となった。
コロナ禍では、直営店の年間売り上げが半分以下まで減り苦境に立たされたが、従業員の声を大切にしながら商品開発に取り組んできた。今回の野菜かき氷開発のきっかけは、甘いものが得意でない従業員から「甘くないかき氷を食べてみたい」というリクエストがあったことからだという。
今回提供する「野菜かき氷」は「濃厚コーンクリームスープ」「フルーツトマトのカプレーゼ」(以上1,300円)、「焼きいものモンブラン クレームブリュレを添えて」(1,400円)の3種類。「濃厚コーンクリームスープ」は粒・ペースト、スープと3種類のスイートコーンを組み合わせた。「フルーツトマトのカプレーゼ」はミルク氷にフルーツトマトのマリネとペースト、バジルソースをトッピング。「焼き芋のモンブラン クレームブリュレを添えて」は、黄金芋のペーストを使っている。いずれのメニューにも乳酸発酵米こうじで甘みを加えたマスカルポーネクリームをトッピングしている。
染谷さんは「最初、野菜のかき氷なんておいしいのか疑問だったが、試作してみると思った以上においしいものができた。野菜の食感や自然な甘みを生かし、最後まで飽きない味わいを目指した。特に『フルーツトマトのカプレーゼ』は溶けるとガスパチョのような風味になるので、ぜひ味わってほしい。今後は県内産の野菜を使ったかき氷にも挑戦したい」と目を輝かせる。
かき氷の開発に関わった同社営業部長で「かき氷マニア」の小林幸治さんは「漬物店なので野菜のかき氷はイメージが合うと思った。店では「かき氷のお茶請けに漬物の試食も提供しているので、甘さと塩気の組み合わせを楽しんでほしい」と話す。
野菜かき氷の提供スケジュールは、濃厚コーンクリームスープ=6月24日~7月23日、フルーツトマトのカプレーゼ=7月22日~8月14日、焼き芋のモンブラン クレームブリュレを添えて=8月17日~9月10日。野菜かき氷のほか、時季により「黒蜜ナッツきなこ」「いちごミルク」などのスイーツ系かき氷メニューも並ぶ。
かき氷の提供日は月曜・木曜~日曜の10時~16時。当日電話予約可能。