さいたま市の景観に着目した書籍「明日に引き継ぐ さいたま百景」の2025年2月の出版に向け、現在、「さいたま百景」の選定作業が進められている。運営は、さいたま百景選定市民委員会。
2010(平成22)年に「市民が選んださいたま百景」が出版し、今回が2冊目。さいたま市が生まれて間もない時期であったことから、「さいたま市らしさを風景から考える」ことをテーマに、456点の風景が市民から寄せられ、代表性・時代性・状況性・意外性・参加性・背景性の6つの評価軸などから現地調査や議論を重ね、2008年にさいたま百景を発表、2010年に書籍を出版した。同書は地域情報の出版物としては異例の約3000部を販売したという。
その後、百景に選定された場所や選から漏れた場所などを歩く一般も参加できる形での「巡回ツアー」などを年2回程度行ってきたが、出版から約10年が経過したのを機に、「新・さいたま百景」に向けた活動を開始した。「新しい百景の作成に当たって、当初は前回の百景のリニューアルを検討したが、巡回ツアーなどのを通してこの10年で景観が大きく変化していることを感じたことから、未来の風景を作るための道しるべとなる百景にすることとした」と、事務局の中津原努さん。表題を「明日に引き継ぐ さいたま百景」とし、多様な視点から風景の見方や評価の仕方などを紹介しつつ、風景づくりに役立つよう心がけたという。
同委員会委員長で建築家の相田武文さんは「コロナ禍を含む約5年の歳月をかけて編集を進めてきた。皆さんの景観に対する意識が高めることに役立つとともに、委員会のメンバーの情熱を感じていただける本になれば」と話す。
同書をリターンとしたクラウドファンディングも1月末まで、実施している。