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さいたまで「アート作品展スマイル・プラス」 市内各所に障害者アート展示

自作のカラフルなノートを持つ近藤知栄さん

自作のカラフルなノートを持つ近藤知栄さん

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 障害者アート展「第10回アート作品展スマイル・プラス」が現在、市内の公共施設各所で開催されている。主催は社会福祉法人さいたま市社会福祉事業団。

作品の横に立つ川鍋泰晶さん

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 さいたま市内で17カ所の障害者施設を運営する同団体。施設を利用する障害のある人たちの表現活動を支援し、地域の人たちに知ってもらうことを目的に2015(平成27)年、同企画を始めた。年1回開催し、今回で10回目となる。以前は全ての作品を1つの会場に集めて展示していたが、利用者家族から「自宅から遠くて見に行くのが大変」という声があり、2022年より地域や期間を分けて展示している。

 1月25日~27日には「コミュニティセンターいわつき」(さいたま市岩槻区本町1)で、見沼区・岩槻区にある「春光園けやき」「槻(つき)の木」「第2やまぶき」「第1やまぶき」の4つの障害者施設を利用する障害者の作品を展示。施設の表現活動時間に作った作品や、日々の生活の中から生まれた作品60点以上を並べた。

 生活介護支援事業所「槻の木」(岩槻区大字黒谷)に通う近藤知栄さんは、好きなキャラクターの名前や物語のキーワードをカラーペンで毎日書き続けているノートや、キャラクターのイラストを多数出品した。近藤さんは「施設では、クリップの箱詰めや検査容器の組み立ての仕事をしている。この作品ページでは、白雪姫が好き。色は赤が好き。見てもらえるのはうれしい」と、同施設所長の新井浩さんと言葉を選びながら話す。

 同じく「槻の木」利用者の川鍋泰晶さんは作品「大好きなシール貼り」を展示。製品ラベルや食品表示シールなどでカレンダーの日付欄を埋め尽くす川鍋さんの作品は、昨年12月の「第15回埼玉県障害者アート企画展『Coming Art 2024』」にも選ばれた。川鍋さんの母は「1、2年前、買い物から帰ったら突然、総菜のシールをはがしてカレンダーに貼り始めた。こうやって見ると、確かに面白いなとこちらも発見があった。貼り方にはこだわりがあるようで、近代美術館に展示された自作品をその場で貼り直そうとしたことも」と振り返る。川鍋さんに、シールを貼るのは好きかと問うと、身ぶりを交えながら小さく「うん」と答えた。

 同団体事務局の佐藤恵亮さんは「3月2日に計画したさいたま市西部文化センター(西区三橋6)での『みのり園』の作品展示は、同センターや地域の協力を得て『みのりフェス2024』として開催することに決まった。アート作品展を中心にしながら、施設利用者の太鼓演奏や地域のキッズダンス教室のステージ発表、中学生によるワークショップなども行う。ぜひ足を運んでもらえたら」と呼びかける。

 2月以降は、岩槻児童センター(2月20日まで)、鈴谷公民館(2月13日まで)、田島公民館(2月13日~21日)、西部文化センター(3月2日のみ)で行う。

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