
民間型ワンストップ地域福祉連携拠点「ムスビテラス東大宮」(さいたま市見沼区東大宮5)が4月18日にオープンした。運営は「K.G.Style」(東京都渋谷区)。
「誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるよう暮らしや福祉に関わる情報や体験を届けること」を目的に設立された同施設。管理者を同社医療事業部長の本田光太郎さん、マネジャーを井上百合枝さんが務める。同施設は、本田さんと井上さん、東大宮のNPO法人「仲良し作業所」代表理事の高橋千尋さんが、イベント開催の相談に集まったことがきっかけで、連携拠点作りの構想が始まったという。その後、東大宮に拠点を置く不動産会社「セゾンハウス」や、30以上の福祉事業所が加盟する「東大宮地域福祉連盟」の協力を得て実現に至った。
本田さんは相模原市在住。同社の訪問看護事業の運営に携わる傍ら、見沼区で活動する「なないろフードパントリー」のボランティアに参加し、代表を務める井上さんと出会った。井上さんは春日部市出身。介護施設でのケアマネジャーとして勤めた後、さいたま市のスクールソーシャルワーカーとして8年間勤務した。障害者の暮らしのコンサルタントや、合同会社「陽だまりnekoの夢」代表社員としての顔も持つ。
同施設では平日、不登校の子どもや障害者福祉作業所に通所する人を対象に、事前登録制で体験ワークショップ(1回1,500円程度)を行う。内容はマジシャンToshiさんによるマジック講座、ミュージシャン後藤勝さんのパーカッション講座など。金曜には子ども食堂を開く予定。常駐する社会福祉士や公認心理士による相談(1時間5,000円、生活困窮世帯減免制度あり)や心理検査「WISC-V(ウィスク・ファイブ)」(1万8,000円~)なども受け付ける。併設する訪問看護ステーションの利用相談も可能。多様な専門職が交流する場として会議や研修を行うほか、会議スペースのレンタル(全面=30分2,500円、半面=30分1,500円)、作品展示・販売スペースのレンタルも行う。
井上さんは「生まれた時から途切れることなく、いろいろな人の暮らしを支える福祉拠点を作りたいと思っていた。これまで出会った人たちとの力と思いをつなぎ合わせて出来上がった場所」と話す。本田さんは「地域の方たちに『ムスビテラスに来れば何とかしてくれる、助けてくれる』と言ってもらえるような場所にしていきたい。災害時の地域拠点になることも目指している」と意気込む。
営業は平日の9時~18時。土曜・日曜・祝日はイベントや相談会開催時のみ。