
「2025けやきひろば 秋のビール祭り」が9月19日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区新都心)コミュニティアリーナで始まった。
2009(平成21)年に始まり、国内最大級のクラフトビールの祭典として知られる同イベント。毎年春と秋の年2回開催し、今回が通算30回目。64社が出店し、日本全国と海外のビール400種類以上とフードを販売する。
30回を記念して、公式ソング「BEER ALL RIGHT(ビール オールライト)」も制作した。手がけたのは、過去の同イベントをライブで盛り上げてきた浦和出身のウクレレシンガー・宮武弘さんと双子のラッパー・上鈴木兄弟。同名の公式コラボビールもU.B.P BREWERY(浦和区)で醸造し、仕込みには上鈴木兄弟の出身地・栃木県宇都宮市から、ろまんちっく村ブルワリー、BLUE MAGICの2つのブルワリーと、同イベント運営スタッフも参加した。宮さんは「たくさんの人が集まるこのビール祭りは、年に2回の『同窓会』だと思っている。サビの『会いに行こう』という歌詞を一緒に口ずさみ、乾杯してもらえれば」と話す。20日・21日の15時からは、宮さんと上鈴木兄弟による音楽ライブも行う。
「BEER ALL RIGHT」(Sサイズ700円、Rサイズ900円)はかんきつのようなホップの香りが特徴のセゾンで、U.B.P BREWERYではそのほか、国際的なビール品評会「ワールド・ビア・アワード2025」のスタイル別部門でカントリーウィナー(日本1位)を受賞したビター「URAWA CITY ALE」、ベルジャンウィット「彩白~IROHA~」(以上、同600円、同800円)などを提供する。
公式コラボビールは他に2種類を用意。いずれも、同イベントに初回から出店するCOEDO BREWERY(川越市)出身のブルワーが関わっている。Brasserie Knot(北海道鶴居村)醸造責任者の植竹大海さんは、COEDO在籍時に同イベントの初開催に関わり、全国のブルワリーとの出店交渉も担当した立役者。2013(平成25)年に同イベント限定で提供していたセッションIPAが、その反響の大きさから、COEDO8年ぶりの新定番「毬花-Marihana-」として商品化したこともある。今回は、思い入れのあるセッションIPAのスタイルにベルジャンイーストを加えた「KEYAKI」(レギュラーサイズ800円、ラージサイズ1,200円、メガサイズ1,500円)を醸造した。もう一つの公式コラボビールを手がけたのは、COEDO出身の樋代卓矢さんがヘッドブルワーを務めるCHORYO Craft Beer(奈良県広陵町)とY. MARKET BREWING(愛知県名古屋市)。Y. MARKETの定番ヘイジーIPA「ルプリンネクター」のレシピに、長龍酒造発祥のCHORYOならではの要素として日本酒造りに用いられる白こうじを加えたヘイジーIPA「欅(けやき)ノミツコ」(Mサイズ800円、Lサイズ1,200円)をCHORYOのブースで提供する。Y. MARKETのブースでは、ハードセルツァーに長龍酒造の酒かす、奈良県産の杉ウッドチップ、ホワイトチョコレートを加えた「欅ノチヨコ」(Mサイズ800円、Lサイズ1,500円)を提供する。
初出店のブルワリーは6つ。ぬとりブルーイング(川口市)は2020年9月にビールと食事を提供する「びぃる食堂ぬとり」を開き、2021年2月からクラフトビールを醸造している。代表の山田泰一さんは「開業からちょうど5年のタイミングで、同じ埼玉で開催されている日本最大級のイベントに参加でき、運命を感じる。ジャンボシューマイなどのフードとビールを楽しんでいただければ」と呼びかける。定番のペールエール「ぬとぺ」(中サイズ700円、大サイズ900円)や、クラフトコーラの残りかすを使ったスパイスサワーエール、富士見市産トマトを使ったゴーゼなどを提供する。ほかに燻製(くんせい)ビールを得意とするNAMACHAん Brewing(東京都豊島区)、国際品評会での受賞歴もあるOUR BREWING(福井県福井市)、東京都杉並区で創業し、今年から醸造機能を完全移転して製造量を増やしたアンドビール(山梨県勝沼町)、地元の農産物を使ったフルーツビールをそろえるヒメビール(愛媛県新居浜市)、沖縄県産パイナップル果汁やサトウキビなどを使ったビールを造るAGARIHAMA BREWERY(沖縄県与那原町)が初出店する。
さいたまスーパーアリーナの鈴木一紀さんは「30回を迎え、いろいろな企画も用意しているので、全国から集まるビール・料理と共に楽しんでほしい」と来場を呼びかける。
開催時間は11時~21時30分(最終日は19時まで)。入場無料。今月23日まで。