さいたま市から川口市にかけて広がる大規模緑地空間「見沼田んぼ」を舞台に、250匹のこいのぼりが空を泳ぐ市民手作りのイベント「膝子こいのぼり祭り」が5月5日に開催され、多くの親子連れでにぎわった。
同祭は、見沼区膝子地区の有志が9年前にスタートした市民による手作りイベント。「最近は庭が狭くなり、大きなこいのぼりを揚げられなくなった家庭が多い」ことから、使わなくなったこいのぼりを知人づてで収集。毎年集め続けた結果、今では300匹を超える数を保有するようになった。
イベントは、見沼田んぼ内の遊休農地を会場に、高さ8メートルのポールを設置。田んぼを横断するようにして100匹以上の大型のこいのぼりを設置した。すぐ脇を流れる見沼代用水東縁(ひがしべり)にも小型~中型のもの約150匹を設置。地域の農家で揚げられていたこいのぼりの様子も再現した。15メートルの高さの棒の先端に杉の葉を取り付け、その下で吹き流し、まごい、ひごい、こごいが悠然と空を泳いだ。このほか、子ども会などがさまざまな趣向の企画や売店、ブースを用意。多くの親子連れでにぎわった。
同実行委員会の中野栄寿さんは「何年も開催する中で色あせてきてしまったこいのぼりもあり、少しずつ更新している。それでも、ありがたいことにこいのぼりの寄贈が続いているためイベントを続けられる。来場した皆さんに楽しんでいただければ」と話す。
会場を訪れていた倉林克昌(よしまさ)見沼区長は「長い間、地元の方の努力で続けられる中で、すっかり地域に定着した人気のイベント。ぜひこれからも続いていってほしい」と期待を込めた。
今年は、新たにヘリウムガスでこいのぼりを空に浮かべることにも挑戦。子どもたちも一緒に、次々にガス入りの風船をこいのぼりに詰めたが、残念ながら全体が浮かび上がるまでには至らなかった。メンバーの一人は「来年はもっと綿密な計算をして浮かび上がらせたい。」とリベンジを誓った。