さいたま市岩槻区の愛宕神社(岩槻区本町3)の本殿に続く27段の石段を利用して、2月25日から、ひな人形を飾る「大ひな壇飾り」が公開されている。
主催は、岩槻中心市街地まちづくり協議会。岩槻の36地域の役員と有志により、市民による市民のためのより良い街づくりを提言することを目的として2016年に設立した。
同神社の石段を活用し、地元住民から寄せられたひな人形371体を飾る同企画。ひな人形は昨年秋、岩槻地域の自治会と同会の会員を通じて公募したところ、1100体以上が集まった。ひな人形は1つ1つ点検し、保管のための段ボールを特注したり、石段の上に敷く木の板を用意したりと、地域のネットワークを生かして準備を重ねてきたという。
同会代表の大塚勇さんは「生まれ育った岩槻の、活性化のためにできることを考えた。多くの人が見に来てくれてうれしい」と話す。
境内では、同会スタッフが来場者に甘酒の振る舞いを行っている。来場者たちは高さ4メートルのひな壇に驚きの声を上げて、写真を撮ったりじっとながめたりするなど思い思いの時間を楽しんでいた。
岩槻区の高橋多き子さんは、人形師だった両親が自分と娘のために用意してくれたひな人形を提供。「押し入れに眠っていたひな人形が飾られているのを見て、すごくうれしかった。人形が、『こんなにもきれいに飾ってくれてありがとう』と言っている気がする。人形が愛宕神社の神さまを通して、きっと皆さんの健康と幸せを願っているはず」と笑顔を見せる。
3月12日までの土曜・日曜に展示。公開時間は8時~16時。雨天中止。