JR大宮駅で4月22日、「金の道ウオーク」出発式が行われた。主催は、首都圏在住の佐渡出身者でつくる「佐渡を世界遺産にする首都圏の会」。
新潟県・佐渡金銀山のユネスコ世界遺産登録を願い、計3回の開催を通じ最終地点の東京・日本橋を目指し中山道を踏破する同イベント。
佐渡金銀山は現在、日本の世界遺産暫定リストに「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として記載されている。同会会員らは「2年連続でユネスコへの推薦が見送られているため、今年こそは世界遺産にとの熱い思いから企画した」と話す。
同会によると、佐渡で採掘した金銀は江戸時代、「お金荷(かねに)」と呼ばれ、中山道を通って江戸まで運ばれたという。同イベントではこの日、歴史に基づいて大宮(紀州鷹場本陣跡)から中山道に沿って蕨(蕨宿本陣跡)までを歩いた。
参加者たちは大宮駅で出発式を行った後、かつて「金荷一行」を監督したという代官の姿に扮(ふん)した坂田正通会長を先頭に、荷を背負った人足姿の会員と、同会の活動賛同者など46人が列をなして歩いた。一行は途中、沿道の通行人にパンフレットや缶バッチを渡しながら、佐渡金銀山をPRした。
参加した佐渡出身の女性の一人は「鉱山で働いていた両親の苦労を近くで見てきただけに、ぜひ世界遺産になってほしい」と話す。人足姿で参加した和泉賢一さんは「自分の孫に、じいちゃんの故郷は世界遺産なんだぞと伝えたい」と力を込める。
5月13日は旧中山道蕨宿から板橋仲宿まで、6月10日は旧中山道板橋仲宿から日本橋までを歩く。同日とも11時30分から出発セレモニーの予定。一般からの参加者を募集しており、参加無料。問い合わせ・申し込みは同会事務局石塚さん(TEL 048-757-2169)まで。