武蔵一宮氷川神社境内で4月27日~30日、第8回世界盆栽大会inさいたまを記念して「奉納盆栽展」が行われた。
「大いなる宮居」として大宮の地名の由来にもなった同神社。権禰宜(ごんねぎ)の遠藤胤也さんは「大会名誉総裁が秋篠宮文仁親王というご縁もあり、地域貢献として、今回初めて境内展示に協力することになった。神社御祭神であり農耕や植樹の神でもある須佐之男命(すさのおのみこと)が杉・檜(ひのき)・槙(まき)・楠(くすのき)を体から生み出した、と日本書紀の一節にある。杉と楠は木の舟に、檜は宮殿に、槙はひつぎに使うと定め、国中に植えられて緑豊かな国になった。そのようなゆかりのある4種の盆栽を舞殿(ぶでん)正面に展示している。外国人からもこの空間での盆栽展示が好評」と話す。
英語通訳ボランティアとして幸手市から参加している山中暁美さんは「普段、盆栽町の清香園 彩花盆栽教室で学んでいる。氷川神社展示は静かで雰囲気が良い。4種類の木に意味があり、盆栽を通して歴史に触れることができる」とほほ笑む。
さいたま市大宮区から訪れた男性は「盆栽町が地元ということもあり、普段から盆栽をよく見ている。神社建物の赤色と盆栽の緑の対比が鮮やか。自然の中で落ち着いて鑑賞できる。屋外の空気の中で盆栽も生き生きしている」と話す。
世界盆栽大会メイン会場のさいたまスーパーアリーナなどと、サブ会場の氷川神社などの間はシャトルバスが巡回。国際色豊かな訪問者があった。盆栽展示前の手水舎(てみずしゃ)では色鮮やかなサリーをまとった一行が、絵入りの案内掲示を熱心に見ながら手を洗い清める姿が見られた。
4月29日・30日には参道で地域の飲食店が出店する「氷川盆栽マルシェ」も同時開催された。