「atelier Mado(アトリエマド)」(さいたま市西区指扇、TEL 048-871-9774)で5月7日から、企画展「『思い出の山の風景』 武笠幸夫個展」が開催されている。
武笠さんはさいたま市西区在住。若いころデッサン教室のグループに所属しており、5年前に会社退職後も趣味として風景画を描いている。春~秋のシーズン中は北八ヶ岳や尾瀬などの山に何度も通って、撮影した写真を元に絵として再構成。水彩絵の具を使って薄い色から順に着彩と乾燥を繰り返し、最後に濃い影などを入れて完成させている。
武笠さんは「昔はセピア写真しか残せなかったこともあり、見たまま・写真のまま描くのではなく、少しの『いたずら』を入れて思い出の風景として描くようになった。退職後の今、素直に描きたいものを描いている。オーナーから声を掛けられ、今回の展示をすることになった」と話す。
さいたま市内から来店した女性は、カフェメニューを楽しみながら「絵の中の緑と青色が印象的。今の新緑の季節に合っているし、窓から庭の緑が見える店内の雰囲気にもぴったり。今度は他の季節の絵も見たいので、四季の山の絵展示があったら良いと思う」と笑顔で話した。
オーナーの玉野綾子さんは刺しゅう絵・ブローチなどを制作している作家。自身の作品制作と発表の場としてアトリエギャラリーを6年前にオープンし、2年前にカフェ営業も開始した。企画展開催のほか、展示会・演奏会・ワークショップなどへのスペース貸し出しも行っている。
店内壁は白い漆喰(しっくい)で、庭側の大きな窓から自然光が差す。駅から遠い同店だが、家族連れや友人同士などの客で平日でも満席となっていた。玉野さんは「カフェで提供する料理やケーキはすべて手作り。野菜も自分で育てたものを使っている。丁寧に心を込めてお客さまに接することを大切にしているので、今後も小さく続けていきたい。告知は今のところウェブページと入り口の小さな看板のみ。一方でギャラリーとしては、武笠氏のような趣味の範囲を超えた作家さんを知ってほしいという思いがあり、今回初めて取材を受けた」と話す。
開催時間は11時~17時。今後の開催期間は5月14日~16日、21日~23日、6月4日~6日、11日~13日、18日~20日。