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さいたまでリトアニアの姉妹がコンサート 雑貨店主のガイド本出版を記念

中世の衣装でリトアニアの古い暮らしの歌を歌う姉妹

中世の衣装でリトアニアの古い暮らしの歌を歌う姉妹

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 リトアニアのハンドクラフト品を販売する雑貨店「fragmentas(フラグメンタス)」(さいたま市大宮区高鼻町1)の店主・渋谷智子さんが執筆したバルト三国のガイド本「おとぎの国をめぐる旅 バルト三国へ」(イカロス出版)の出版を記念して4月2日、リトアニアから来日した姉妹によるミニコンサートがカフェ「maru(マールーウ)」の庭で行われた。

ミンガイレさん(右)・マリヤさん(左)姉妹と渋谷さん

 渋谷さんの「リトアニアの土地と歴史が育んだ古い暮らしの歌を、日本でも聴いてもらいたい」という思いから、ミンガイレ・ジャマイティーテさんとマリヤ・ジャマイティーテさん姉妹を日本へ招いて行った同コンサート。満開の桜の下で10曲が演奏され、家族連れや近所の人など50人以上が、姉妹の歌声とリトアニアの伝統的な弦楽器「カンクレス」の響きを楽しんだ。

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 リトアニアで友人の結婚式に出席した際に同姉妹の歌を初めて聴いたという渋谷さんは「心が震えるような思いがして、とてもびっくりした」と振り返る。この日演奏された曲はいずれも、姉妹が子どもの頃から歌ってきたもの。コンサートの最初には、「どの歌もおばあちゃんのおばあちゃんの、そのまたおばあちゃんの世代から受け継がれてきました」というミンガイレさんの言葉を渋谷さんが通訳して紹介した。リトアニアの歌には悲しくメランコリックな曲調のものが多く、それは戦争や侵略といった悲しい出来事を、歌を歌うことで乗り越えてきた歴史があるからだという。

 さいたま市内から訪れた主婦は「普段から旅は好きだが、バルト三国には行ったことがない。今回のコンサートでリトアニアを身近に感じることができたので、いつか子どもと行ってみたい」と話した。

 渋谷さんは2008年から大宮でヨーロッパ雑貨店「rytas(リータス)」を営む。2015年には「rytas」に併設する形で、リトアニアのハンドクラフトの品を扱う同店を開いた。学生の頃から「自分が見たものを本にしたい」という気持ちがあり、同店でフリーペーパーを発行していたこともある。「自分の手にした雑貨がどんな生活の中で、どんな気持ちで作られたものなのか、背景を知ることでより親しみが湧く。私は作り手さんたちの暮らしを直接知ることができるので、それを伝えることが仕事だと思っている」と話す。今回出版したガイド本には、リトアニアで手仕事の文化が残った背景や、ラトビアで大事にされているシンボルの意味などを解説するコラムを充実させ、本を手にした人の旅がより深まるよう工夫したという。

 コンサートと併せて小さな民芸市も開かれ、リトアニアのハンドクラフトの品々が並んだ。中でも渋谷さんが特に思い入れが強いと話すのは、女性作家・ロムアルダさんが作った小さなつぼ。「リトアニアの冬のお祭りへ初めて行ったときに見つけ、誰が作っているのか知りたくて、手紙を書いて作家に会いに行った。会いに行ったらもっと話が聞けるし、作家と仲良くなれることを知った最初のきっかけだった」とほほ笑む。

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