再開発計画が動き始めた大宮駅東口エリアで、東洋大学と東京芸術大学の学生が中心となって新しい再開発計画を提案する「大宮東口プロジェクト」が進められている。
同プロジェクトを仕掛けているのは、建築家で東洋大学建築学科専任講師の藤村龍至さん。両校で講師を務めていることから、学生が現場力を付けるプログラムとして「大宮東口プロジェクト」を提案、これに両校のほかの教員や、さいたま市、大宮駅東口の再開発の提言などを行っている一般社団法人大宮駅東口協議会などが協力している。
プロジェクトでは、大宮区役所と大宮小学校の敷地を仮想の再開発用地として設定。その中に小学校と公共施設などを配置する計画を学生らがグループに分かれて検討している。コンセプトづくりから模型やパネルまでを制作した後、一般市民が自由に参加できる「パブリックミーティング」でプレゼンテーションを行い、参加者による予備投票と本投票の結果、最優秀作品を選定している。パブリックミーティングは計5開催される予定で、その都度、優秀作品を選定し、学生はその場で得られた意見や評価を持ち帰り、次の回までにさらに案を練り直して次の提案に反映させるため、回が進むごとに提案が進化していく仕組みだ。
パブリックミーティングは3回まで開かれた。前の回に最優秀作品に選ばれても、次のプレゼンテーションではアドバンテージはないため、参加する学生の目は毎回真剣そのもの。また、参加する市民も再開発への関心が高い人が多いため、学生と市民で活発な意見交換が行われている。
藤村さんは「行政の計画にリンクしているわけではないが、再開発が予定されている場所を対象に、一から計画をつくり、地域の人に意見までいただける場は、学生にとって大きな経験となる」と話す。
プロジェクトによるパブリックミーティングは、第4回=7月3日、最終回=7月17日が予定されている。詳しくは、同プロジェクトのフェイスブックページで確認できる。