
弁当と酒を販売・提供する店「おかずや」(さいたま市北区櫛引2)が5月7日で3周年を迎えた。
新型コロナウイルス第3波が収まり、感染が一時的に落ち着いてきた頃にオープンした同店。飲食店として設計したが、当時はまだマスクを常に着用している人が多く、狭い店内での食事に抵抗があるだろうと考え、弁当店としてスタート。今年3月、食事と酒が楽しめる店としてリニューアルした。店主の宍戸麻美さんが一人で切り盛りしている。
宍戸さんは大宮生まれ大宮育ち。学生の頃から喫茶店のホール係や歯科助手など、人と接する仕事を続ける一方、厨房の仕事にもずっと憧れていたという。「初めて厨房に立ったのは結婚後の30代半ば。スパゲティ専門店で働いていた。来店客の少ない時に、自分の中で100点満点だと思えるペペロンチーノを作り、お客さまに提供した。『とてもおいしかった』という言葉をもらい、店の仲間と共に喜んだ。自分の作ったもので人に喜んでもらえたことがうれしく、こんな気持ちになったのは初めてだった。それがきっかけで、いつか自分の店を持ちたいと思うようになった」と振り返る。その後、複数の飲食店や有料老人ホームの厨房責任者を5年間務め、念願の店を構えた。
昼の弁当メニューは、「唐揚げ弁当」「のり弁」「ガパオライス」「角煮弁当」(670円~880円)など日替わりで販売する。「温かいものを温かいうちに提供したい」と、揚げ物などは注文を受けてから調理する。仕出し弁当の注文も受け付ける。夜のメニューは、唐揚げ(3個500円)、大葉包みアジフライ(3個350円)、焼きおにぎり(みそ、おかか、だししょうゆ、1個200円)などの定番メニューに加え、その日仕入れた材料を使った日替わりメニューを用意。定食(980円)は、その時にある材料で作れるもので献立を相談、持ち帰りにも対応する。ドリンクは生ビール(630円)や焼酎(450円~)など豊富に取りそろえる。
宍戸さんは「お客さまに恵まれて3周年を迎えられた。この辺りでは弁当店が珍しく、オープン当初から毎日買いに来てくれる人もいた。転居して離れても電話注文して取りに来てくれる方もいてありがたい。リニューアルして、お酒も飲める店になった。気軽に立ち寄って、『第二のわが家』にしてもらえたら」と話す。
都内から来店した橋口星貴さんは「都内に転勤・転居して今日が久しぶりの来店。近くで勤務していた時はよく弁当を買いに来ていた。メニューのレパートリーが多く、食べたことがないものを注文するのが楽しみだった。遠くてもまた会いたくなる店主の人柄の良さも売りの一つ」と話す。近隣在住の藤倉正彦さんは「夜の営業が始まってからは初めて来店した。この辺は飲食店が少ないのでありがたい。料理もおいしい」と話していた。
昼の営業(弁当販売)は金曜・土曜の11時~14時。夜の営業は木曜~日曜の17時~22時。