
「RB大宮アルディージャ手話応援デー」が8月23日、NACK5スタジアム(さいたま市大宮区高鼻町4)でのロアッソ熊本戦に合わせて行われ、約1650人が手話応援団として参加し、試合を盛り上げた。
選手たちも「愛してるぜ」ハンドサイン(RB大宮アルディージャ提供)
「サッカー応援もノーマライゼーション」を合言葉に、サッカー観戦を通して手話に触れ、障害のある人もない人も一緒にアルディージャを応援しようと2006(平成18)年より企画する同イベント。実行委員会は、クラブパートナーである毎日興業(さいたま市大宮区)を中心に、賛同する県内団体や企業、学校、個人で構成。企画・応援・受付の3部門に分かれて計4回の打ち合わせを行い、当日を迎えた。
第17回となる今回は「RB大宮アルディージャ」となって初めての開催。クラブのエンブレムやカラーが刷新されたのに伴い、横断幕や手話応援Tシャツのデザインを変更。新たに、選手入場前に歌う応援歌「叫ばずにはいられない」に手話が加わり、手話応援歌の一つとなった。
会場には、応援歌「愛してるぜ We are ORANGE」の手話応援体験や応援メッセージの募集を行う「手話応援啓発ブース」、あいさつや自己紹介などの手話を学ぶ「手話体験ブース」を設けた。体験で覚えた手話を披露した人には、県内作業所が製造したクッキーを進呈。家族4人で参加した中西樹真(たくま)さん(見沼区在住・小学5年)は、覚えたての手話「うれしい、たのしい」「東京デフリンピック2025」を使い、クッキーを獲得。「サッカーも見に来たかったし、お母さんが手話を勉強しているので今日は参加したいと思った。手話体験は楽しかった。応援も頑張りたい」と笑顔を見せた。17時からは、応援席全体で手話応援練習を行った。
同委員会委員長で毎日興業の田部井良社長と、同チーム後援会会長を務める清水勇人市長のあいさつに続き、選手が入場してキックオフ。手話応援団はホーム側サポーターらのコールに合わせて手話や声援、オレンジのミニフラッグでエールを送り、1-0でアルディージャが勝利した。
埼玉県青年赤十字奉仕団のボランティアとして参加した立教大学2年の鈴木亜弥さんは「今回が初参加。大学のボランティアサークルで障害のある方と一緒に活動しており、手話ができたら交流の幅も広がると考えていたので、奉仕団の活動の中でも、このイベントには特に興味があった。活動を通じて覚えた手話を今後にも生かしたい」と話す。
田部井さんは「参加応募者が年々増え、今回は席数を増やして多くの人に参加してもらうことができた。手話を通じてメインサポーターと応援団で会場が一体となる中、勝利に立ち会えてうれしい。障害のある人もない人も関係なく一緒に応援できることが当たり前になるよう、今後も開催を続けていきたい」と話す。