日本人初の国際宇宙ステーション船長(コマンダー)を務めた若田光一さんの地球への帰還を中継するパブリックビューイングが5月14日、大宮の「さいたま市宇宙劇場」など2カ所で行われ約200人がその様子を見守った。
若田さんら3人の宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船は、日本時間の14日7時36分に国際宇宙ステーション(ISS)を離れた。その後も順調な飛行を続け、8時4分に周回軌道を離れる噴射を行い、同35分には大気圏に突入。同46分にはパラシュートが展開し、毎秒7.6メートルの速度で降下を続け、同58分30秒、中央アジア・カザフスタンの平原に無事に着陸した。
プラネタリウムである同会場ではJAXAの中継を放映。若田さん出身校である旧大宮市の宮原小学校、別所小学校、宮原中学校の同級生を中心に結成された「若田光一宇宙飛行士を応援する会」のメンバーを中心に約150人の市民が、その様子を見守った。途中、中継カメラが宇宙船を見失うアクシデントがあったが、着陸の報が入ると会場から「お帰りなさい」の声が上がった。着陸した宇宙船から若田さんが画面に姿を現すと、会場は一層大きな拍手に包まれた。
応援する会の島田さんは「途中、中継が途切れる度にドキドキした。宇宙船から出てきた後、笑顔で手を振り合図をするなど、元気そうで安心した。いつもの若田くんだった」と安堵(あんど)の表情を見せた。同じくメンバーの織田さんは「無事にやるべき事をやったという達成感が笑顔に表れたのでは。5回目の宇宙飛行があるか分からないが、これまでの経験を生かし、第一人者としてこれからも頑張ってほしい」とエールを送った。
市民とともに着陸の様子を見守った清水勇人さいたま市長は「ミッションスペシャリストだけでなく、船長としてリーダーシップを発揮しながらさまざまなミッションを完了した若田さんは、私たちさいたま市民にとっても大きな誇り」と、若田さんの功績をたたえた。「若田さんが宇宙に行っている間、いつもよりも宇宙が近づいたような感覚を持った。お疲れさまでしたと伝えたい」とねぎらう。