NACK5スタジアム大宮(さいたま市大宮区高鼻町)で7月12日、大宮アルディージャのホームゲーム・ファジアーノ岡山戦で「手話応援デー」が行われた。
大きな身ぶりで選手を応援する手話応援団(写真提供:大宮アルディージャ)
障がい有無を問わず、手話を使って共に試合を応援する同企画は今年で7回目。クラブパートナーである毎日興業(さいたま市大宮区桜木町)が中心となって呼び掛け、実行委員会にはクラブスタッフや県立特別支援学校大宮ろう学園、ボーイスカウト、専門学校や手話ダンスサークルなどがボランティアメンバーとして参加した。5月から会議を重ね、聴覚障がい者の案内の工夫としてスタッフ全員が筆談用のペンとメモ帳を携帯するなど、さまざまな運営のアイデアを出し合った。
当日手話応援団に参加したのは、大宮ろう学園の生徒や手話応援の趣旨に賛同した人など1900人。オレンジのオリジナルTシャツを着用し、試合開始2時間前にNACK5スタジアム大宮に集合、ゴール裏のコールリーダーと共に手話で応援歌「愛してるぜ We are Orange」を練習した。
サポーターにも手話に興味を持ってもらおうと、スタジアム内のイベント広場に「手話応援ブース」も開設。大宮ろう学園の生徒らが「今日は、絶対勝つ!」の手話をサポーターらと練習するなど、交流イベントも実施、会場には2015Jリーグ女子マネジャーの佐藤美希さんや、さいたま市の清水市長らも応援に駆け付けた。練習に参加した人先着300人には、授産施設製造の手作りクッキーを進呈した。
試合が始まると、ホーム側サポーターらの熱いコールに合わせて大きな身振りの手話で声援を送り、チームは3対0で大宮アルディージャの勝利。試合後には手話応援席から手話でエールを送ると、選手らも「愛してるぜ」の手話で応えた。
学校全体で協力した埼玉福祉専門学校教員の村越麻知子さんは「参加した33人の学生はほとんどが初参加だったが、聴覚障がい者らと『また会いましょう』など積極的に手話で話すなど、よい体験の場になった」と話す。
手話応援団長で毎日興業社長の田部井功さんは「真夏の太陽の下で始まった試合だが、勝ち上がれてよかった。J2の手話応援は、最初で最後にしたい」と手話応援デーの勝利を契機に、J1昇格に期待を寄せる。