大宮公園(大宮区高鼻町4 、TEL 048-641-6391)で2月12日、老齢化が進むサクラの木を守るための環境整備を行う「桜守ボランティア」がサクラの土壌改良を行った。
「日本さくら名所100選」にも選ばれたサクラの名所である同園。老齢化が進んだサクラを健全に育成するための管理や作業を行う同ボランティアは2005年に発足した。同公園のシンボルである「サクラとアカマツと水辺の風景」を次世代に継承するため、月1回活動を行い、サクラの手入れを続けている。
この日行った作業は、根の末端に栄養を与えるための土壌改良。集まったボランティアメンバー20人と同園職員が、ソメイヨシノの周辺に約60センチの長さの縦穴を掘り、縦割りにした竹をまとめた竹束と堆肥を、1本の木に対し約20カ所埋め込んだ。
同ボランティア世話人で、この日の作業リーダーを務めた斉藤清利さんと藤巻俊夫さんは「土壌改良が一番の重労働。サクラとアカマツの緑が水辺に映る美しい情景はここだけ。花はより多くの人に楽しんでもらえる。この情景を子孫まで受け継いでいきたい」と話す。
同ボランティアでは、土壌改良のほか、根元近くに生える「ひこばえ」を取る作業、開花時期に行う花数調査など、年間を通して、さまざまな維持管理を行っている。会員数は180人で若い年代は少ないという。
会員になって約1年になる小原淳也さんは40代。「花見スポットについて調べた時に活動を知った。自分よりも世代が上の人が多いが、年齢は関係なく、一緒に桜の手入れをすることで交流できる」と話す。