大宮出身の近代漫画の祖と言われる北沢楽天(きたざわらくてん)の人生を描く映画「漫画誕生」の撮影が4月から始まる。
北沢楽天生誕140周年、さいたま市立漫画会館開館50周年を記念して企画された同作品。楽天を演じるのはイッセー尾形さん。監督を務めるのは長編デビュー作「花火思想」(2014年公開)が高い評価を得た大木萠さん。脚本はEテレやBSジャパンの番組構成の実績もある若木康輔さんが務める。
楽天は1876(明治9)年、現さいたま市大宮に生まれ、外国人向けの英字新聞社に入社し、西洋漫画の手法を学ぶ。当時は評価の低かった風刺画を「近代漫画」として確立させ、「時事漫画」の執筆や漫画雑誌の創刊に尽力し、日本の近代漫画の先駆者として活躍した漫画家。大宮駅東口の東光寺に記念碑や墓がある。
活躍したにもかかわらず、今まであまり知られることのなかった楽天の人生を、フィクションドラマ、ドキュメント映像、漫画という3つのアプローチで初の映画化。楽天の人生を追いながら、近代日本の知られざる漫画史を描き出すストーリーとなる。
撮影はさいたま市を中心に行い、エキストラは地元大宮の企業、商店、地域の住民、漫画に縁のある人、企画に賛同する人などから広く募集するという。
プロデューサーの加瀬修一さんは「『漫画誕生』は、地元発として県内はもちろん、国内はては海外まで、楽天の存在と業績を発信する映画として製作している。地元の皆さんと一緒に盛り上げることで地域活性化の一助となるよう尽力するので、支援いただければ」と話す。
今年秋の完成を目指し、劇場公開は2018年初夏を予定している。問い合わせはアースゲート(TEL 03-6806-0784)、コントレイル(TEL 090-2445-1322)まで。