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さいたまの児童養護施設へサンタがプレゼント 子どもたちの生きる励みに

サンタやトナカイから手渡されるプレゼント

サンタやトナカイから手渡されるプレゼント

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 地元有志ボランティアが12月20日、知人や地域の協力者から寄付されたおもちゃや絵本、衣類などを「クリスマスプレゼント」として、さいたま市の児童養護施設「いわつき」(さいたま市岩槻区徳力)、加須市の愛泉乳児園に届けた。

リヤカーで運ばれるプレゼント(関連画像)

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 北区の堀谷貴洋さんと蓮田市の松島康生さんが中心となり行っている同活動。松島さんが自宅で使わなくなった「カプセルトイ」を使って、施設の子どもたちを喜ばせようと2009年に「いわつき園」を訪ねたのが始まり。

 松島さんは「続けていくうちにカプセルに入るおもちゃには限りがあるので、番号札を入れて該当するおもちゃを渡すようにするなど工夫を重ねてきた。1人では限界だと思い、知人の堀谷さんに声を掛けた2014年からは主に堀谷さんが中心となって進めている」と言う。堀谷さんは「おととしまでは友人と2人で活動していたが、昨年から協力者が増え数人でサンタやトナカイに仮装してにぎやかに届けている」と話す。

 トラック2台分のおもちゃをトラックに乗せた、サンタやトナカイの姿に仮装した堀谷さんらが施設に着くと、子どもたちが次々に集まってくる。「何でサンタの格好なの?」「これなあに?」「チョコレートもらっていいの?」とサンタやトナカイに話し掛け、サンタの一人が乗ってきたバイクにも興味津々。代わる代わる座席に座らせてもらうなど、「サンタとの交流」を楽しんだ。

 今回の参加が2回目という上尾市の会社社長 船田真代さんは「子どもたちがすごく素直に育っていて、先生たちが丁寧に関わっているのが分かる。こういう機会を与えてもらえてとても感謝している」と話す。

 同園の坂本仁志園長は「ここは虐待や何らかの家庭の事情がある88人の3歳~18歳の子どもと9人の乳児が暮らしている。プレゼントがありがたいのはもちろんのこと、地域の大人たちが支援してくれている、見ている、気に掛けてくれている、ということが子どもたちの生きる励みになる。本当にありがたい」と感謝する。

 堀谷さんは「当日参加してくれる人はもちろん、寄付をしてくれる人、寄付の受け取りに協力してくれる飲食店など協力者は年々増えていて、本当に感謝している。『何かしたいけどどうしていいか分からない』と思っている人は意外と多いので、その人たちのきっかけになったと思う。皆さんからお預かりしたお気持ちは全て子どもたちに届けることができた。関わってくれた全ての人がここから少し何かのアクションを起こしやすくなって少しでもニコニコが広がればいいと思っている」と話す。

 堀谷さんは、会社員の傍ら、「きっかけLab.」の共同代表として東日本大震災被災地の復興を祈る「キャンドルナイト」の企画運営や地域のイベントの運営、学童保育の手伝いなど地域の活動を行っている。「キャンドルナイトもサンタの活動も個人でできる範囲でやっていることも多い。毎年試行錯誤で続けているが、何らかの形で続けていく予定。今後ともご協力いただけたら」と呼び掛ける。

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