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さいたま市のA型事業所が出張洗車サービス本格始動へ オーガニック洗剤使い手洗い

手洗いで隅々まで丁寧に車を洗うスタッフたち

手洗いで隅々まで丁寧に車を洗うスタッフたち

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 障がい者就労継続支援A型事業所「MCSハートフルA」(さいたま市北区吉野町2)が1月から、「まごころ洗車隊」サービスを本格始動した。

分かりやすく用途が明記された道具(関連画像)

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 オーガニック洗剤と少量の水を使い洗車を行う同サービス。同事業所は、エアコン清掃、床ワックス清掃などの清掃業務や親会社のメディカル・ケア・サービスの帳簿整理、スキャニングサービスなどの事務補助業務を障がい者33人、生活支援員、職業指導員11人で行っている。

 障がい者就労継続支援A型事業所「フュージョン」(長崎県佐世保市)の中村耕司社長が開発した洗車システムを、障がい者の新しい働き方の一つになると導入した。同事業所では昨年春から中村社長に協力を仰いで準備を始め、10月から研修などを実施。サービス開始にこぎ着けた。さいたま市内では初。

 同事業所総務グループ課長の横島昇さんは「どのパートナー(障がいのある作業者)にも分かるよう、手順を分かりやすく丁寧に説明する必要があるため、研修は時間をかけて進めた。一度覚えると丁寧で正確な仕事ぶりの上、辞める人はほとんどおらず、長く働いてくれる」と話す。

 作業は専用の洗剤を車体に噴霧し、水で濡らした布を使い拭き洗いの後、乾いた布で仕上げ拭きを行う。冬季はぬるま湯を使って作業するという。バケツなどの道具にはそれぞれ使う目的を明記。拭き布は用途別に色分けし、道具を片付ける棚もパートナーと一緒に整理の方法を考えた。

 1台の洗車はパートナー2~3人と指導員1人で行う。指導員は作業の段取りやフォローを行う。1台に掛ける時間は20分ほど。支援員の大木剛志さんは「大事な車を傷付けないよう細心の注意を払いながら作業する。服のファスナーなどの金属部分は養生テープを貼って、間違って傷が付かないようにしている」と話す。

 パートナーたちは「手作業なので細かい所まできれいになって気持ちがいい」「しゃがんだり立ったりを繰り返すので足腰が鍛えられる」「背の高さを生かしてルーフの水滴をきれいにできるのですっきりする」「楽しく作業している」と笑顔を見せる。

 支援員の平野幸江さんは「本当に皆もくもくと真面目に作業してくれるので、私たちも頑張ろうと毎回気が引き締まる」と話す。横島さんは「ぞれぞれのパートナーの得意不得意を補いながらチームで作業をすれば質の高いサービスを提供できる」と意気込む。

 利用料金は軽自動車=1,000円、普通車=1,500円、ワンボックス、SUV=2,000円。営業時間は10時~16時。土曜・日曜定休。要電話予約。

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