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さいたまキャンドルナイト 震災思い、語り合い、自分たちの備えのきっかけに

今年もキャンドルを灯しに

今年もキャンドルを灯しに

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 「第5回 さいたまキャンドルナイト」が3月9日、大宮駅東口近くの「宮一コミュニティホール」(さいたま市大宮区宮町1)で行われた。主催はきっかけLab.。

熊本大震災写真パネル展示(関連画像)

 SNSを通じて知り合ったというさいたま市内在住の有志が、東日本大震災犠牲者の鎮魂と復興への祈りを込め、埼玉からも思いを伝えようと2015年に始まった同イベント。今年は、キャンドルタワー作り、防災ミニワークショップのほか、防災学習センター協力による熊本大震災写真パネル展示、地元ミュージシャンのコンサート、地元飲食店の「もつ煮」振る舞いなどを行った。

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 イベントスタッフの堀谷貴洋さんは、クリスマス時期に知人や地域の協力者から寄付されたおもちゃ、絵本、衣類などをクリスマスプレゼントとして、さいたま市の児童養護施設などに届ける活動などを行っている。

 堀谷さんがボランティアを始めたきっかけは、東日本大震災発生直後に仕事で行った仮設住宅の建設だったという。「子どもを保育園に預けて、通行許可書をつけた軽自動車で行った南相馬。海岸から数キロ内陸に打ち上がった大きな船、海に向けて走れど走れど変わらない悲惨な風景。動いてる人影は、油とドロで真っ黒になった田んぼに胸まで漬かりながら行方不明の人を探しているのか長い棒で底をつつくように歩く自衛隊の人たち。人ってこんなに簡単に死ぬんだ、当たり前の毎日はこんなに簡単になくなるんだ、と思った時、朝預けてきた子どもが思い浮かび、どうすれば大切な人たちを守れるのか」と考えたという。

 堀谷さんは、地元に戻った後、防災への方法を模索する中で「自分だけではどうにもならない、周りを巻き込むしかない」とまずは自分で活動を始め、徐々に一緒に活動する仲間を増やしていった。

 イベント会場にはこの日、来場者たちがお互いの近況などを報告する会話も聞かれ、始終なごやかな雰囲気となった。鴻巣市の岸田彩美さんは「震災のためのイベントというと重く捉えられがちだが、このイベントは震災を思うことに加え、知人友人に久しぶりに会う場でもあるし、いざという時に助け合える地域の環境作りとも言える。今年も参加できてよかった。10年、20年後も続けてほしい」と話す。

 堀谷さんは「5年目になり、仲間も増えていろいろな形で表現できるようになってきた。DJを担当してくれた友人のBU$HIくんが『それぞれがそれぞれできる形で思いをともす』と言ってくれたのが僕のやりたかったことそのままでうれしかった。被災地に思いをはせながらも、それが自分たちの身に起こった時にどうやって自分や大切な人を守れるか、それをご近所や仲間と考えてもらいたい。願わくば、キャンドルでも防災のセミナーでも投げ銭ライブでもどんな形でもいいので、このイベントを見た人が地元でもアクションを起こしてくれたらすてきだといつも思っている」と話す。

 この日集まった2万3,000円の寄付金は、市を通じ、さいたま市ふれあい福祉基金に寄付された。

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