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さいたまの台湾屋台料理店が3周年 駅弁風のメニューなど台湾庶民の味

台湾の駅弁を再現したランチメニュー「台湾鉄道排骨(パイコー)弁当」=さいたまの台湾屋台料理店が3周年

台湾の駅弁を再現したランチメニュー「台湾鉄道排骨(パイコー)弁当」=さいたまの台湾屋台料理店が3周年

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 氷川参道沿いの台湾屋台料理店「台湾茶房 e~one(たいわんさぼう イーワン)」(さいたま市大宮区東町1)が9月6日、3周年を迎えた。

箸を使わずレンゲで食べるのがお薦めという「麺線(メンセン)」(関連画像)

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 台湾の屋台などで食べられている丼物や麺類、一品料理、スイーツを現地の味に近付けて提供する同店。店舗面積は10坪、席数は17席(テラス席を合わせて22席)、常時3~4人のスタッフで店を切り盛りしている。

 オーナーシェフの中平恭博さんは、台湾出身の妻とさいたま市内で長年ブライダル関連事業を営んできた。家族の食事の用意のために自ら台所に立ち、妻から教わった台湾料理を作ることも多かったという。本業の傍ら、新規事業として台湾屋台料理店を開店することを思い立ち、4年前より「テストキッチン」という形式で月に2回、市内の「ギャラリー南風 大宮氷川の杜(もり)店」で台湾料理の提供を始めた。

 その後、台湾の有名店での修行、薬膳コーディネーターの資格取得、現店舗のオーナーとの出会いを経て、2016(平成28)年9月に現在の場所に開店した。店名の「e~one」は妻の台湾名である「イーワン」にちなんだもので、台湾屋台料理店のナンバーワンを目指したいという気持ちも込められているという。

 ランチタイムには甘辛く煮込んだ豚肉をご飯の上に載せた「魯肉飯(ルーローハン)」(660円)などの丼物のほか、曜日ごとにメニューが変わる「日替わりランチメニュー」(935円)や、中平さんの思い付きで変わる「黒板メニュー」(価格はメニューごとに異なる)を提供する。いずれも台湾茶付き。人気はハーフサイズの「魯肉飯」(385円)とハーフサイズの「麺線(メンセン)」(385円)を組み合わせた「ハーフ&ハーフ」。「麺線」は小麦粉で作られた細い麺を使った麺料理。

 ランチタイムに加須市から夫婦で来店していた30代の女性は「台湾スイーツの『豆花(トウファ)』が食べられる店をインターネットで検索して来店した」という。「『魯肉飯』は小さな子どもでも食べられそうなほど癖がなく、『豆花』は豆乳をプリンにしたような優しい味」と話す。

 金曜の「日替わりランチメニュー」(935円)は台湾の鉄道駅で売られている駅弁を再現した「台湾鉄道排骨(パイコー)弁当」。豚のロース肉に台湾から取り寄せた特製の粉をまぶし、油で揚げ、たれに浸したものをご飯の上に載せ、金属製の弁当箱に入れて提供している。テークアウトで買い求める客もおり、用意していた数十食が早い時間に売り切れることもある。(テークアウトの場合は使い捨て容器で提供)

 中平さんによると、台湾の鉄道各駅で売られている駅弁はそれぞれ特色があり、現地の人はもちろん、日本からの観光客にも人気があるという。中でも有名なのは、阿里山(ありさん)森林鉄路の奮起湖(ふんきこ)駅でかつて販売されていた駅弁で、現在では奮起湖駅のそばの「奮起湖大飯店」が金属製の弁当箱に入れて提供している。中平さんは「使い捨て容器が主流となった現在、金属製の容器で提供を続ける店は台湾でも珍しい。金属製の弁当箱を体験したことのある人には懐かしいかも」と話す。

 ディナータイムの人気メニューはいわゆる「大根もち」の「蘿蔔(ローポーガオ)」(385円)、台湾風の鶏の唐揚げ「塩酥鶏(イェンスージー)」(550円)など。さいたま市内ではなかなか味わえない台湾ビールや台湾ウイスキーなどと共に注文する客が多い。リピーターも多く、食後に台湾茶(1,100円~)のティーセレモニーを楽しむ客もいる。

 中平さんは「大宮駅から少し離れているが、氷川参道のそばにという場所にこだわって店を開いた。氷川神社の二の鳥居が台湾産のヒノキで作られていることにも縁を感じる」と話す。故郷の味を求めて来店する日本に暮らす台湾人の客、SNSの投稿などを見て「本場の庶民料理を味わいたい」と遠くから訪れる客も多いという。「それほど大きな店ではないので、満席のためにお待ちいただくこともある。今後は店舗数を増やし、多くのお客さまに来ていただけるようにしたい」と意気込む。

 営業時間は、ランチ=11時~15時、ディナーは火曜~木曜=18時~21時30分、金曜・土曜=18時~22時。日曜・月曜定休。

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