台湾の建国記念日「国慶節(こっけいせつ)」に合わせて台湾をPRするイベント「Let’s go台湾」が9月25日~30日、そごう大宮店(大宮区桜木町1)で開催された。主催は埼玉台湾総会。
埼玉台湾総会は台湾と埼玉の友好促進を目的に1989(平成元)年に創立した団体で、埼玉県に在住する台湾出身者及び台湾好きの会員で構成される県内唯一の台湾政府公認団体。10月10日の「国慶節」を祝い毎年イベントを行っており、台湾の物産販売や伝統芸能の実演で台湾をPRする同イベントの開催は今年で3回目、そごう大宮店での開催は初となる。
期間中、3階特設会場では、台湾土産の定番「パイナップルケーキ」や台湾茶、IWSC、WWAなどのウイスキー国際コンペティションで高い評価を受けるウイスキー「KAVALAN(カバラン)」、台湾の国民的家電「大同電鍋」(正式名称は「大同電気釜」)などの物産販売や、台湾の観光情報掲示が行われた。28日と29日には同店2階大宮駅連絡口で、台湾出身の歌手や演奏家、劇団による歌や楽器の演奏、人形劇などの「伝統文化スペシャルステージ」が行われた。
この日のために台湾から来日したという「金宇園掌中劇団(きんうえんしょうちゅうげきだん)」はステージに張った極採色の幕を背景に伝統芸能「布袋戯(ほていぎ)」を上演した。「布袋戯」は、数百年前から台湾の縁日や祭りなどで上演されてきた人形劇で、今回の上演では、人形劇版の獅子舞、人形による皿回し、剣を抜いて相手を斬(き)り付ける立ち回り、顔に付けた面を瞬時に変える「変臉(へんれん)」などを披露した。
趙金統(ジャオ・ジントン)団長によると、「布袋戯」に使われる人形の形状は、この数十年で大きく様変わりしてきたという。趙団長は実際に人形を操りながら、伝統的なやや小ぶりの人形や現代風のファンタジックな人形を紹介した。ステージ終了後は来場者との記念撮影にも応じた。浦和区から来た会社員の40代女性は「記念撮影では実際に人形に触れられてうれしかった。人さし指1本で人形の首を支えると教えてもらい、そのとおりに持ってみると想像していたよりも軽くて驚いた」と話す。
埼玉台湾総会の紀秋美(き・あきみ)会長は「台湾はLED関連製品や自転車など、世界に通用する高品質な製品を多く生産しているが、日本ではあまり知られていない。埼玉や日本の皆さんにもっと台湾への関心を持ってもらいたいという気持ちから、このイベントを企画した」と話す。26日はさいたま市の清水勇人市長が、27日には吉川市の中原恵人市長が会場を訪れ、各ブースを見て回った。台湾の宜蘭(ぎらん)県冬山(とうざん)郷から来日した林峻輔(リン・ジュンフー)郷長は、特産の「宜蘭茶」の試飲を来場者に勧めるなど郷の紹介を行った。