さいたま市産のヨーロッパ野菜を用いた県内の料理人による料理コンテスト「さいたま市長杯 第4回さいたまヨーロッパ野菜料理コンテスト」の最終審査会が1月19日、埼玉ベルエポック製菓調理専門学校(さいたま市大宮区仲町3)で開催された。主催は、さいたま食文化未来創造プロジェクト実行委員会。
さいたま市食プロジェクトの一環としてさいたま市民の野菜摂取向上を目指し、地域特産の野菜を使った料理で未来の食文化発見につなげる目的として2017(平成29)年に始まった同コンテスト。
4回目の今回は、「プロ冷菜」「プロ温菜」「プロスイーツ」「給食」部門に加えて、新たに「一般(アマチュア)」部門が設けられ、応募総数は61件。最終審査には幅広いジャンルの料理人19人が県内各地から集い、腕を振るった。
競技者は、指定ヨーロッパ野菜を使い、1時間の制限時間内で調理。テーブルには色とりどりのヨーロッパ野菜それぞれの特徴を生かした個性豊かな料理が並んだ。
グランプリである最優秀賞・さいたま市長賞を受賞したのは、プロ冷菜部門は大野優希さん(ビストロ カシュ カシュ)、プロ温菜部門は羽鳥雅晴さん(オステリア アズーリ カーサ)、プロスイーツ部門は庭野満さん(ホテルブリランテ武蔵野)、給食部門はさいたま市立与野八幡小学校、個人部門は田中雅代さん。
新設された一般(アマチュア)部門で最優秀賞を受賞した田中さんのメニューは「バターナッツかぼちゃのレアチーズ」。田中さんは「初めて食べた時に甘さがスイーツに合うと思い、レアチーズケーキにすればきれいな色が引き立つのでこのメニューにした。受賞できてうれしい」とほほ笑んだ。
給食部門で最優秀賞を受賞した与野八幡小学校のメニューは「わくわく!ピンクの宝探しグラタン」。ビーツ、バターナッツかぼちゃ、カリフローレを使い、ビーツのピンク色が印象的な一品となった。給食調理員として17年働いているという石川順子さんは「メニューを決めた時は自信があったが、今日の本番に来てみたらすごい人ばかりで気弱になった。まさか受賞できるとは思わなかった。子どもたちにも報告したい。ヨーロッパ野菜を給食に取り入れられる機会が増えたらうれしい」と、ほかの5人のメンバーと共に喜んだ。
コンテスト実行委員長の北康信さんは「毎年コンテストのレベルが上がっている。今まではいかにヨーロッパ野菜を使うかに注力していたところが、今回はどう合わせたら調和するか、隠し味として使うのはどうかなど、さらに上の段階での腕の競い合いだった」とうれしそうに振り返る。「ヨーロッパ野菜の認知度も売り上げも向上しており、今年は今回のコンテストに『一般部門』を新設したように、一般のご家庭への普及が広まるよう、尽力していきたい」と意欲を見せる。