シシオザルの赤ちゃんが2月5日、大宮公園小動物園(さいたま市大宮区高鼻町4)で誕生した。
シシオザルの赤ちゃんの白い顔や手がよく目立つ(2月8日撮影)
大宮公園小動物園は大宮公園の一角に位置し、クマなどの猛獣や、リスやサル、鳥類など約60種を展示する動物園で、開園は1953(昭和28)年。
赤ちゃんは同園が飼育するオスのシーチャン(12歳)とメスのティー(15歳)の子で、飼育員の齊藤香央梨さんが同日8時30分ごろ、様子を見に行った時すでに生まれていたという。
「まだ体が少し濡れていたため朝方に生まれたと推測している。しばらく胎盤がつながったままだったが、翌日の夕方までには自然に取れた。出産直後の母親を刺激しないようにと、赤ちゃんの性別や身長などはまだ調べていない。赤ちゃんはおっぱいを飲んで元気で順調に育っている」と齊藤さん。
シーチャンとティーは2013(平成25)年にそれぞれ円山動物園(北海道札幌市)と日本モンキーセンター(愛知県犬山市)から同園に来た(シーチャンはブリーディングローン制度による貸与)。2014(平成26)年以降、2頭の間には4年連続で合計4頭の子が誕生しており、今回で5頭目となる。齊藤さんは2019年10月ごろ、ティーの腹部がやや大きくなってきたことから妊娠に気付いたという。兄や姉に当たる4頭は赤ちゃんに興味津々で、のぞき込んだり、生後3日目には母親に代わり姉が赤ちゃんを抱っこしたりする様子も見られた。齊藤さんは「赤ちゃんは生後半月くらいまでは母親にくっついたままで過ごし、12~18カ月で離乳する」と話す。
シシオザルの柵の前には現在、赤ちゃんが誕生したことを知らせる文章と写真を掲示しているが、母親や姉がしっかり抱っこし続けているため、柵の外からは赤ちゃんの姿を見付けにくいという。大宮公園内にある同園は週末は家族連れでにぎわう。来園者たちは「どこだろう?」「いないね」「いた!」「かわいい」などと話しながらシシオザルの柵をのぞき込んでいた。
シシオザルの生息地はインド南西部で、尾の先端部がライオンの尾のように房状になっていることが名前の由来。絶滅危惧種に指定されており、国内では20園館(日本動物園水族館協会加盟園館)で79頭が飼育されている(2018年度現在)。齋藤さんによると、開園時間中は常にシシオザルの展示を行っているが、気温が低い日は展示場と寝室の間の扉を開けていることがあり、寝室にいる時は見ることができないという。
開園時間は10時~16時。月曜休園。入場無料。