社会実験の催し「ストリートプランツプロジェクト」が3月2日、大宮駅東口の3カ所を設置場所で始まった。アーバンデザインセンター大宮(UDCO)、WOODSMART(ウッズマート)、秀花園の共催。
大宮エリアの価値の向上、暮らしの質の向上のために、市が所有する都市計画道路などの低未利用地を使い、沿道に経済効果・にぎわいを創出することを目的とした社会実験「おおみやストリートテラス」の派生版。おおみやストリートテラスは2017(平成29)年に1回目が行われ、3回目の2019年10月は16日間の開催で、さいたま市内を中心に23店の飲食店などが協力し、延べ 3000人が訪れたという。
UDCOの石黒卓さんは「大宮駅東口を降りる度に緑が少ないのが寂しいと思っていた。緑を増やしたらもっと居心地の良い街になるのではないかと思っていた」と話す。
その思いからおおみやストリートテラスの際に、出店に緑を添えようと、上尾に本社を置くプランツコーディネーターのWOOD SMARTと川口の植物園「秀花園」に協力を依頼し、植栽を置いたところ、来場者から「これは売り物ではないのか」という問い合わせがあったという。「もしかしたら植物を置いたら買う人がいるのでは」という気付きが今回の企画につながった。
今回のプロジェクトでは合計10ポットの植栽を、協力してくれる設置場所3カ所に用意。購入方法は「自宅用に購入する」「街にストックする」の2通り。自宅用の場合は、選んだ植栽を自宅まで届ける。街にストックを選ぶと、購入金が植栽の3カ月分の維持・管理費用に充てられ、街を緑で彩ることに一役担う。料金はいずれも自宅用購入が2万円、街にストックする場合は1万5,000円。
植栽の維持・管理は設置場所である東日本連携センター(さいたま市大宮区大門町1)、大宮精油(さいたま市大宮区大門町3)、大宮銀座ビル(さいたま市大宮区宮町1)のオーナーが協力またはUDOCが行う。
植栽は、今の時期に花が咲くものや、青葉を楽しめる常緑樹を川口市で90年以上植物に関わる事業を行う秀花園が選定。「ミモザ」「シルバープリペット」「ツバキ」「ジンチョウゲ」などがそろう。自宅用に購入したい人には、必要に応じて世話のアドバイスも行う。同園の晝間智嗣さんは「どの植物も世話は難しくない。気軽に緑を楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。
マンションやホテル、イベント時などの外部空間の設計・施工を行うプランツコーディネーターの伊藤司貴さんは「おそらく日本では初めてと言っていい取り組みだし、他の国でもあまり聞かない。それだけ実現するのが簡単ではない取り組みだが、街を面白くしたい人に共感・賛同してもらって大宮から取り組みを発信していきたい」、石黒さんは「地元で頑張る企業と、地域の人、みんなで一緒に街づくりをしていきたい」と意気込む。
植栽はホームページ上で閲覧・購入ができるほか、設置場所で直接見ることも可能。設置時間は大宮銀座ビル、大宮精油が24時間、東日本連携センターは、開館時間の11時~19時。購入期間は今月13日まで。設置は3カ月間。次回の開催は4~5月ごろを予定している。