曜日でランチタイムのシェフが変わるシェアキッチン「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン)in seagull(シーガル)」(さいたま市大宮区宮町1)が7月13日、大宮駅東口にオープンした。
ダイニングバーとして夕方~夜の時間帯に営業する「seagull」の設備をランチタイム限定で「シェアキッチン」として貸し出すシステム。同店オーナーの逆井弘慈さんが場所を提供し、大宮駅東口でコワーキングスペース7F(ナナエフ)を経営するコミュニティコムが運営する。利用者は、曜日ごとに場所を借りて、ランチ営業を行うことができる。
1番目の利用者は「mamasta-kitchen」の川村優子さん。4人の子どもの母親でもある川村さんは、日々家族に喜んでもらう料理を作り続ける中で、5年ほど前から飲食店での仕事を始めた。「自分で店を持ってみたい」と思いながらも、資金面やコロナウイルスの影響でなかなか実行に移せずにいたところ「シェアキッチン」の存在を知り一歩を踏み出すことにしたという。川村さんは「場所や設備、道具などを貸してもらえるというのは非常にありがたい。初めの一歩として踏み出すには素晴らしい環境」と話す。
利用者は場所や設備はそのまま使うことができるが、「何を提供するか」「どのように集客するか」などは自分で考える必要がある。逆井さんは「メニューや値段設定、チラシや呼び込み、SNSでの集客など考えることはたくさんある。今後独立する際に必ず役に立つ経験になるのでご自身で試行錯誤してみてほしい」と話す。2009(平成21)年から同店を経営する逆井さんも大手雑貨店の会社員を辞めて開業したという経験を持つ。「次のステップにつながるような経験にしてもらいたいので、必要があれば相談やアドバイスなど協力できたら」とも。
コミュニティコムの星野邦敏社長は「これから飲食店を始めたい人や独立したい人が初期投資を抑えて試験的に始められる。新型コロナウイルスの影響もあり、新しい事業を始めるのは厳しい状況になっているが、そういう時だからこそよい感じに利用してもらえたら」と話す。
「mamasta-kitchen」は月曜・火曜・金曜のランチタイムに和食・中華・洋食などの「日替わりランチ」を提供する。川村さんは「がっつりおいしい家庭料理を用意する。仕事中のランチに、ママ友とおしゃべりしながらなど楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。最初の3日間はスペシャルランチとしてスープ・ドリンク付きの「ローストビーフ丼」(1,000円)を提供する。「少し心配もあるが自分の店をスタートできるワクワクで楽しみ。夫や子どもたちも協力してくれるので頑張りたい」とも。
「mamasta-kitchen」のほか、木曜は「鯖(さば)サンド食堂」、水曜・土曜・日曜は油そばのシェフが出店を予定している。
営業時間は11時~15時ごろ。