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さいたま市の老舗洋菓子店が予約販売をメインにリニューアル

1級建築士の店主河合さんの父が店の設計をした

1級建築士の店主河合さんの父が店の設計をした

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パティスリー・パドゥドゥ(さいたま市見沼区東大宮4、TEL 0120-678-010)が10月にリニューアルオープンし、3カ月がたった。

2代目の河合由海さん(右から2人目)とシェフパティシエの村上淳子さん(右から3人目)とスタッフの皆さん

2020年に35周年を迎えた同店。同年7月に10年続けたカフェを閉店、今回のリニューアルで予約販売を中心としたファクトリーとなった。

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 30坪程のファクトリーはショールームや客とのミーティングスペースとしての機能も持ち、木としっくいの白い壁が美しく、アートギャラリーのような雰囲気となっている。ファクトリーの隣の駐車場には、10年前に防腐剤不使用の枕木を敷き詰め、実生のどんぐりの苗木を植え、小さな森が育っている。

 現在の店主2代目の河合由海さんは文化女子大学でファッションを学び藍染の仕事をしていたが、2017(平成29)年に先代の母の後を継いだ。ファッション畑にいた経験や目線を生かし、パドゥドゥのブランドディレクションは河合さんが、ビジュアルディレクションは大学時代の友人の小林明日香さんが、菓子についてはシェフパティシエの村上淳子さんが担当している。

 地域貢献に熱心だった河合さんの祖父が東大宮に洋菓子店がなかったことから、先代の母をスイス・オーストリア・ドイツに修業に出し、35年前に開店した同店。先代は手仕事や生き物が好きで自然が好きだったことがパドゥドゥのコンセプト「素朴・温かい・ホスピタリティー」につながったという。

 「パドゥドゥ(PAS DE DEUX)」の店名はバレエ用語の「2人で踊る」に由来する。1級建築士の河合さんの父が店の設計を、先代の母が菓子作りをそれぞれ担当した。内装の柱は店の人気商品のモンブランにあやかり栗の木を、梁(はり)は古民家を解体した古材を再利用している。

 新型コロナウィルスがはやりつつあった3月にカフェを休みにし、緊急事態宣言が出された頃に店の存続についても悩んだが、その中で予約注文をいただいた来店者から「パドゥドゥはやめないで」と声を掛けられ勇気をもらった。来店者の中には3世代で通ってくれる家族もいる。パドゥドゥのお菓子は農家から直送で仕入れた材料を使い、ファクトリーのパティシエたちが手作りで作っている。生もののため、売れなかった時は廃棄となることを避けるため、受注生産のスタイルに舵を切り、再スタートを決めた。

 リニューアルオープン後、来店者から「パドゥドゥは予約してでも行きたい店」と言葉をもらい励みになっているという。「やり方が新しくて面白い」という人も。河合さんは「ファクトリーをお客さまとパドゥドゥを結ぶ拠点としてこだわりの国産材料と作り手の思いを大切にしながら安全でおいしいお菓子を届けたい。ご不便をお掛けするが、ご予約をお待ちしている」とほほ笑む。

 営業時間は10時~17時。月曜・火曜定休。