大宮に日本酒バル「ヨリミチ」(さいたま市大宮区桜木町2)がオープンして1カ月がたった。
日本酒は種類を問わず半合(90ミリリットル)を500円で提供
フードコーディネーター、酒師(ききさけし)、「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」の資格を持つ店主の史路さんが経営する同店。史路さんは、ケータリングの現場やレストランなどで10年以上にわたって、さまざまな国の料理の調理に携わってきた。東京・浅草のホステルで外国人客に向けて、和食と日本酒を組み合わせて提案する業務を経験したのが、本格的に日本酒の知識を深めるきっかけだったという。史路さんは「日本酒の蔵元は多くが国内にあり、どこに位置するかを聞くだけで『米どころ』『寒さの厳しい環境』『海に近い』など想像がつきやすい。個性豊かな味わいに加えて醸造工程などの背景までイメージが膨らみやすく、自然に興味が湧いてきた」と振り返る。
酒販店での修業も経て1月17日にオープンした同店は、夜営業の時間帯は30~40種の日本酒と、アジアやイタリア、エスニックなどの多国籍料理(1品=300円~)を組み合わせて楽しむことができるという。内装はカフェをイメージし、カウンター6席のほか2人掛けのテーブル席2卓を用意する。「日本酒デビューの女性にも一人でフラリと入ってもらいやすい雰囲気を大切にした。日本酒を知らない人や飲み慣れていない人の入り口になる店でありたい」と史路さん。
提供する日本酒の種類は随時入れ替え、客が注文する料理や好みを踏まえて史路さんが数種類を提案。いずれの日本酒も半合(90ミリリットル)を一律500円で提供する。「さまざまな値段が並ぶと、お客さまはつい無難な価格帯のものを選びがち。値段や有名な銘柄かどうかにとらわれず、いろいろな日本酒と気軽に出合ってほしいと思い、このような提供方法にした」という。「シェリー酒のような味わいの、古代米を原料にした日本酒もある。『日本酒と言えば和食』と思われがちだが、他の国の料理とも相性のいいお酒であることを実感してもらえれば」とも。
昼の時間帯は、ピタパンに具材をサンドしながら楽しめる「サラダプレート」、サラダと副菜を添えた「カレープレート」など、ワンプレートのランチを3種類提供する(ドリンク付き、各1,000円)。同メニューをランチボックスに詰めたテークアウトにも対応する(ドリンク無し、各1,000円)。
史路さんは「店の運営に少し慣れたら、『デリ』として総菜のテークアウトも始めたい。いずれは店内でワークショップもできれば。お客さまのニーズに柔軟に応えながら、地域になじむ店になっていきたい」と意気込む。
現在の営業時間は11時30分~21時(平常時は11時30分~22時)。水曜と第1・3火曜定休。