3月末で閉館した市民会館おおみや(さいたま市大宮区下町3)のお別れイベント「ありがとう市民会館おおみやお別れ会」が3月18日から4日間にわたり行われた。主催はありがとう市民会館おおみや実行委員会。
大宮駅東口に開館したRaiBoC Hall(レイボック ホール)の外観
1970(昭和45)年1月に完成した同館。旧称は大宮市民会館。老朽化などのため3月末で閉館し、大宮駅東口の複合施設「大宮門街(おおみやかどまち)」(大宮区大門町2)の4~8階に移転し、4月1日、愛称「RaiBoC Hall(レイボックホール)」として開館した。
お別れイベントでは、地元の小中学生や市民団体によるステージ、大宮ラクーンよしもと劇場の「大宮セブン」によるスペシャルライブ、三遊亭楽生さんの寄席、三遊亭鬼丸さんのトークショー、大宮出身の漫画家あらい太朗さんが書き下ろし作品を俳優・村田綾さんと共同でプロデュースした大宮が舞台の演劇などを公演。21日のフィナーレは、ダイアモンド☆ユカイさんらのビッグバンドが務めた。バックステージツアーを行ったほか、写真展や大宮グルメを提供するマルシェなども開いた。
会場を訪れていた70代の女性は「今は50代の娘が小さかった頃、家族で『8時だョ!全員集合』の公開生放送を見に来た。娘のピアノの発表会も行われた。最近はコロナ禍で活動ができていないが、所属している童謡の会では、小ホールで練習したり、大ホールのステージで歌手と一緒に歌ったりした」と振り返った。
大宮駅西口のDOMショッピングセンターで開催した「市民会館おおみや思い出の写真展」では、完成当時の写真や市民から募集した式典などの記念写真を展示。1973(昭和48)年の成人式の写真を眺めていた60代の女性は「近年はさいたまスーパーアリーナが会場のさいたま市の成人式は、私の娘の時代は大宮のソニックシティ、私の時代は大宮市民会館だった」と懐かしんでいた。
同実行委員会が最終日の21日に企画したのが、旧大宮市の「市報おおみや(昭和45年11月号)」の表紙に掲載された写真に写る開館したばかりの市民会館の前に立つ大宮南小学校の児童10人以上を探しての記念撮影。60歳か61歳になっていると思われる当時の児童はなかなか見つからなかったが、当日は5人が表紙と同じ市民会館おおみやの前に集まった。企画の進捗を見守っていた同実行委員会長の久世晴雅さんは「5人も集まってくれてよかった」と胸をなでおろしていた。
新しい市民会館おおみやの愛称「RaiBoC Hall(レイボックホール)」は、大宮地区を象徴する3つの文化、鉄道(Railway)・盆栽(Bonsai)・漫画(Cartoon)の頭文字を採った造語。市民公募で名付けた。館内には、大ホール(約1400席)、小ホール(最大約340席)に加え、展示室、集会室、スタジオなどを設ける。