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さいたまでフォーラム「不登校から考える、これからの学校のあり方」

(左から)主催の片倉淳平さん、今窪一太さん、緒方広海さん、馬場さん親子

(左から)主催の片倉淳平さん、今窪一太さん、緒方広海さん、馬場さん親子

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 フォーラム「不登校から考える、これからの学校のあり方」が2月26日、プラザノース(さいたま市北区宮原町1)で開催された。

主催の片倉さん(正面左)と今窪さん

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 公務員として長く市民と関わってきた片倉淳平さんらが企画した同イベント。片倉さんは「不登校を真剣に考えていくためのきっかけの場を作りたいと思い企画した。地域をより良くしていくための一つの取り組みとして長く継続していきたい」と話す。

 イベントにはモデレーターとして進行を務める片倉さんのほか、25年間教育業界に携わり今後はフリースクール設立を目指す今窪一太さん、小学校のスクールカウンセラーなどとして数多くの不登校の子どもや保護者と現場で関わってきた経験を持つ臨床心理士・公認心理士の緒方広海さん、実際に不登校の子どもを持つ親の立場と、当事者である小学4年の馬場さん親子が登壇し、それぞれの立場から不登校について話し、12人の参加者が話を聞いた。

 現在、国内の不登校者は24万5000人ほどとされている。今窪さんは「人数は増加しており、コロナ禍の影響や法律の変更により学校以外の場に積極的に通えるようになったこと、多様性が認められる世の中や子どもたちに対して、画一的な教育を行わざるを得ない学校教育とのギャップなどが理由として考えられる」と話す。

 緒方さんは「昔と違って、学校に行かない、行けないと子どもが言える時代になってきたことは良いとも言える。ただ、(不登校をしている子ども)本人も、なぜ学校に行くことが嫌なのか、何がそんなに疲れるのか分かっていないことがほとんど」と話す。親の立場である馬場さんは「最初は学校に行かせなければいけないということが頭にあり、仕事もしていたことから出口が全然見えずに、母親の負担が増えていると感じて苦しい時期もあった」と振り返る。

 当事者の馬場君は「今の学校では難しいのは分かっているが、一人一人に寄り添ってくれたら不登校の子どもたちも救われることがあるかもしれない」と話す。

 話を聞いた、さいたま市中央区在住の生駒章子さんは「それぞれ違う立場から不登校について語られ、それぞれの感じ方の違いを知ることができて面白かった。現場の方々が多角的に不登校の問題に対して真剣に考えてくれていることも分かり、学びが多かった」と話す。

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