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中学生が「さいたまるしぇ」で「岩槻ねぎ」紹介 地元伝統農産物をアピール

開智中学2年生の生徒と三原教諭

開智中学2年生の生徒と三原教諭

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 開智中学高等学校(さいたま市岩槻区徳力)の中学2年の生徒らが、地元の伝統的農産物「岩槻ねぎ」を広く知ってもらおうと、11月6日にさいたま新都心「けやきひろば」2階(さいたま市中央区新都心)で行われるイベント「さいたまるしぇ」でアピールする。

グループワークの様子

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 総合的学習の「探究活動」の一環で行う同活動。同校では1997(平成9)年の開校当時から、生徒一人一人がテーマを定めて調べ学習に取り組む「探求活動」を行ってきた。生徒が1人で調べレポートにまとめる形で行うことが多かった同活動を、2025年から同校で導入予定の「国際バカロレア教育」の準備としても位置付け、「学校で学んだことを生かし地域貢献につながる探求を実践する」ことをテーマに、地元・岩槻をフィールドにしたグループでの探究活動を行っている。

 2021年度からは、近年生産する人が少なくなっていた「岩槻ねぎ」に注目。「岩槻ねぎ」の生産を復活させた農家や「岩槻ねぎ焼きそば」などの商品開発に取り組む店に聞き取りなどを行い、「コロナ後に『岩槻ねぎ』を世界に発信する」ことをテーマに準備を進めてきた。

 活動に取り組むのは中学2年生9人。9人のうち8人が県外から通学しているため、普段は岩槻を知る機会が少ないという。8月に3日間、街歩きをし、岩槻についての理解を深めた。馬場耀子さんは「岩槻のことを知ることができ『地元』に興味が沸いた。普段から新聞で自分が住む街の情報も見るようになった」と話す。

 10月16日には、岩槻で有機質の肥料を使った野菜栽培に取り組むChill Out Farm (チル・アウト・ファーム)で農業体験を行った。水政文杜さんは「サツマイモ掘りは、葉やつるがあらかじめ取ってあり掘るだけの状態からしかやったことがなかった。つるやマルチを処分してから掘るという作業をして、農家の方の仕事の大変さを知った」、高橋嶺さんは「虫が苦手だからこそ、苦手を克服したいと思って農業がテーマの取り組みに参加した。掘ってるうちに楽しくなってきた」、新井雄大さんは「土壌について興味があり、いろいろ調べてきたが、実際に触ると畑の土は全然違い驚いた。データだけでは分からないことがたくさんあると気づいた」と、それぞれ感想を話す。

 11月6日は、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」に伴い開催される同イベントで、「岩槻ネギ倶楽部」が販売する「岩槻ねぎの塩焼きそば」を、イベントを訪れる地域の人や、外国人観光客に英語、中国語、フランス語、日本語で説明するなどアピールする。片山智晴さんは「1人でやる探究活動とは違い、生徒同士で協力し、地域の人達との交流もあるなど、将来必要なスキルを実践で学べて楽しい」と話す。

 同取り組みを指導する学習開発部主任の三原忠先生は「受験勉強などに重きが置かれがちな最近の教育現場だが、『本来学びは楽しいものであること』を体験してもらいたい。自分も岩槻出身ではないので、この取り組みのために岩槻の農家や役所や店舗の方などさまざまな分野の人に会って話を聞いているうちに、どんどん楽しくなってきた。体験する、やってみることで何かが生まれるということを生徒たちに実感してもらいたい」と話す。「地域の人たちにも喜んでもらっている。中高生は普段学校生活や塾などで忙しく、地域のイベントなどに関わったり参加したりする機会が少ない。彼らが参加することで、地域の活性化にもなれば」とも。

開催時間は10時~17時。

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