来春に東北地方で復興応援のために営業運転を予定している蒸気機関車「C58」の最終確認作業の様子が12月18日、報道陣に公開され、車輪を回すために一番重要な「シリンダー」に初めて蒸気が吹き込まれた。
同車両は、東北地方を応援する目的で走る「SL銀河」のためにJR東日本が約1年を掛けて復元を行ってきた。先週12日にはボイラーに再び点火する「火入れ式」が行われ、その後も急ピッチで最終確認作業が進められている。
18日の作業では、蒸気の力を動輪に伝える重要な部分「シリンダー」に初めて蒸気を吹き込んだ。ブレーキを掛け、ピストンを中央に固定した状態で、圧力を高めた蒸気室からシリンダーに蒸気が吹き込まれると、地響きのようなごう音を轟かせながら周辺に勢いよく蒸気を噴き出した。この作業により、シリンダー内の錆びやゴミを吹き飛ばされてシリンダー内がきれいになり、スムーズに動くようになる。
この日は、他にも蒸気を自動的に逃がす安全弁の調整などが行われた。火入れ式では未装備だった、シリンダーの力を動輪に伝える「主連棒」も取り付けられていた。
長い時間を掛けて復元作業が行われてきたC58は、あと少しで自ら走り始める。