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さいたま市の大成八幡神社でみこしの蔵出し 夏祭りに向け準備始まる

頭部に鳳凰(ほうおう)が取り付けられると一段と威厳が増す

頭部に鳳凰(ほうおう)が取り付けられると一段と威厳が増す

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 夏祭りに向けたみこしの蔵出しが7月2日、大成八幡神社(さいたま市大宮区大成町1)で行われた。

1年ぶりに倉庫から運び出されるみこし

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 大成町1丁目八幡自治会では毎年7月の最終日曜と8月1日のスパークカーニバルにみこしの渡御を行う。その準備として毎年7月の最初の日曜に、みこしの蔵出しを行うのが恒例となっている。

 午前9時30分頃、社殿横の倉庫から5人がかりで大人みこしが境内へと運び出され、続いて子どもみこし2基が運び出された。同自治会員約20人が1時間半ほどかけて3基のみこしのほこりを払い、鳳凰(ほうおう)や飾りひもなどを取り付けた。

 小野安史自治会長によると、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年と2021年はみこし渡御を中止、2022年は規模を縮小して行った。「今年は4年ぶりに完全な形で開催できることになり、町内の人たちも、とても楽しみにしてくれている。町内総出でにぎやかな祭りにしたい」と小野さん。7月30日の夏祭りではみこし渡御のほか、山車の巡行も予定しており、400~500人ほどの人出を見込んでいる。

 「現在のみこしは101年前に作られたものだが、夏祭りはもっと以前から行われていたようだ。しかし昔のことを知っている人が年々少なくなり、詳しいことは今やよく分からない」と話すのは、「神輿(みこし)会」の初代会長を務めた81歳の泉名孝司さん。いつ頃からかはっきりしないが、同自治会のみこし渡御は数年間にわたり廃止されていた時期があったという。「子どもの頃から大人がワッショイ、ワッショイとみこしを担ぐ姿を見て育ったため、神社の境内で展示を行うのみになってしまったことを寂しく思った」という泉名さんは、他の2人の自治会員と共にみこし渡御の再開を呼びかけ、町内の多くの人の賛同を得て、1975(昭和50)年にみこし渡御を復活させた。

 「夏祭りのような地域の伝統行事はこの先もずっと続いてほしい。現在は若い世代が神輿会を引き継いでくれており、そのことを頼もしく、うれしく思っている。7月30日は半纏(はんてん)を着てみこしの後ろをついて歩くつもり」と顔をほころばせる。

 みこしは飾り付けを済ませた後、神社の社殿内に運び込まれた。神輿会の高橋昇正会長によると、7月29日の大祓(おおはらい)式まで社殿内に安置する。

7月30日の町内みこし渡御は15時から19時まで。

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