「ミニさいたま」が11月5日、プラザノース(さいたま市北区宮原町1)で行われた。企画運営はNPO法人「子ども文化ステーション」。
「ミニさいたま」は「こどものまち」のさいたま市版。こどものまちはドイツのミュンヘン市で2年に1度行われる「ミニミュンヘン」をモデルにした、「子どもが主役で子どもだけが市民になれる遊び」のプログラム。さいたま市内では2010(平成22)年以降、開催区域や形式を変えながら、コロナ禍の2020年を除いて毎年実施されている。
小学生で構成する59人の「子どもスタッフ」と、主に中学生・高校生で構成する53人の「大人スタッフ」が9月下旬より5回の「まち会議」を開いて作り上げた「まち」に、「Happyだがし屋」「おしゃれHAPPYネイル」「わくわくボーリング」など全部で36の店が出店した。
一般参加者は事前に申し込んだ市内在住または在学の小学生。受付で「市民」となると400ヌゥを受け取ることができる。疑似通貨のヌゥは店で仕事をして給料をもらうことで増やすこともできる。
芝川小学校の大嶋このかさん、大谷小学校の稲泉和紡さんと中嶋優さん、大宮東小学校の岡山紗良さんはいずれも一般参加の2年生。4人はそれぞれ3~4の店で仕事をした。仕事をする時間は1回につき15分。1回の仕事でもらえる給料は110ヌゥ。110ヌゥのうち10ヌゥは税金として「ぜいむしょ」に納める。「仕事の中で一番面白かったのは『キラキラレジン屋さん』」「自分で働くのは楽しい」と口々に話し、時間いっぱいまで買い物や遊びを楽しんだ。
市長選も行われ、4人の候補者の中から、太田小学校5年の光野美咲さんが総数569票のうち218票を獲得して市長に当選した。昨年に続いて2度目の立候補で初当選を果たした光野さんは「みんなの夢がかなえられるような笑顔あふれる楽しい町を作る」と抱負を話した。市長選の結果は公式ラインを通じて速報で伝え、光野さんから市民へのメッセージも動画で配信した。
動画の撮影や公式ラインの運営は子どもスタッフのOB・OGである大人スタッフが行う。同NPO代表理事の武藤定明さんは「14年間取り組んできた中で育ってきた子どもたちが、大人スタッフとして支えてくれるのが何よりうれしい」と話す。
午前の部と午後の部の一般参加者は、それぞれ約350人。「新型コロナウィルスの流行がようやく収束し、いろいろな企画が自由にできるようになった。子どもたちに制約をかけることなく自由にやりたいことをさせてあげられるようになって良かった」と武藤さん。