小沢農園の直売所(さいたま市見沼区蓮沼、TEL 048-683-1665)で1月4日、イチゴの販売が始まった。
毎朝ハウスで採ったイチゴを直売所でその日のうちに売っている。直売所ならではの完熟した苺にこだわっている。
栽培している小澤将伍さんは28歳で農業に従事して5年目。大学は経済学部に通っていたが、いつか家業を継ぐのであれば初めからと思い直し、大学卒業後すぐに農業大学校に1年通い、吉見町のイチゴ農家で1年学んだ後、家業を継いだという。
小沢農園は代々農家を営んでおり、イチゴの栽培を始めたのは父の代から。「父親は『とちおとめ』という品種のみを作っていたが、自分の代になって『あまりん』『紅ほっぺ』『やよいひめ』の品種も増やした。食べたらおいしかった『おいCベリー』『かおり野』の栽培を始めて今年から出荷している。イチゴの苗作りから行っており、来年は『よつぼし』の苗を購入し挑戦する予定」だという。「イチゴは、糖度、酸味、身の硬さ、病気に強い・弱いなど、さまざまな品種がある。いろいろと試してみて、自分や地域にとって合う品種を見つけていければ」と話す。
「祖父と父も現役の農家で、3世代で農業を営んでいるが、農作物の栽培や売り上げも完全に分けていて、それぞれが独立採算を取っているのは珍しいと言われる。それぞれが独立採算だからこそ、祖父と父の行っていないことをしていきたい。現在はイチゴ狩りを受け入れていないが、自分の代では将来的にはイチゴ狩りの導入も計画したい。今後は、より勉強しながら、人を雇用し、面積を増やせていけたら」と話す。
現在は約1反(1000平方メートル)の広さに6棟のハウスを設置し、約6000本のイチゴを土耕栽培によって作っているという。畑全体の広さは約2町(2万平方メートル)で、イチゴの他には、トマトのハウスが約2反(2000平方メートル)あり、残りの畑ではブロッコリー、キャベツ、白菜、ホウレンソウ、ナス、ジャガイモなどの路地野菜を季節ごとに作っている。
「イチゴは1、2月が、寒暖差があり特においしい。スーパーなどに出荷もしているが、その場合はどうしても完熟前での出荷となる。直売所の場合は、毎朝ハウスで採ったイチゴを、その日のうちに売る。完熟にこだわって直売所に並べているので、直売所ならではの新鮮で甘いイチゴを、ぜひ食べていただければ」と話す。
「昨年、LINEやインスタグラムも始めた。SNSだけでなく、直売所でも、地元の人たちとコミュニケーションが取れたら。農業を通じて人生や地域が豊かになれば。父の代でイチゴを作り始めたが、新しく移り住んでこられた地域の人にまだ知られていないことも多い。ぜひ多くの人に知ってもらえたら」とも。
直売所の営業時間は14時~17時。水曜・日曜定休。イチゴの販売は5月中旬までを予定している。