
さいたま市見沼区の果樹農園「KM FRUITS JAPAN(ケーエムフルーツジャパン)」(さいたま市見沼区片柳2)が、「富士の輝(ふじのかがやき)」の販売を10月上旬から始めた。「富士の輝」は巨峰やピオーネの血統を引く最新品種で、果皮が薄く食べやすいのが特徴。強い甘味とコク、上品な酸味のバランスから「黒いシャインマスカット」とも呼ばれる。
生産者のケーエムフルーツジャパンの守屋一隆社長は、元へヴィメタルバンドのベーシストという異色の経歴の持ち主。41歳で農業の道に入り、彩玉を育成した埼玉県農業技術研究センターで3年間果樹栽培を学んだ。
守屋さんは、同農園の「殺菌剤・殺虫剤・除草剤・化学肥料を使わず、土の力と植物本来の生命力を引き出す栽培を行っている」という。「息子の食物アレルギーをきっかけに、『安心して食べられる果物』を作りたいと考えたのが始まり」と話す。
見沼の畑では、シャインマスカットやクイーンセブンなど約20種類のぶどうを栽培するが「富士の輝」はその中でも特に手間がかかる全国的にも希少な新品種という。「虫や菌と向き合いながら、毎年が実験。甘さや香りを極めるために葉の枚数や水の量まで研究している」と守屋さん。
直売所は、見沼区片柳のハウス横にあり、8月から11月ごろまで営業。「手間ひまかけて育てたぶどうを、地元の人にいちばん新鮮な状態で届けたい」と守屋さんは笑顔を見せる。
「富士の輝」は1キロあたり1万円。「シャインマスカット」は1キロあたり5千円。「富士の輝」の販売は10月いっぱい(売り切れ次第終了)の予定。小分けにした商品や贈呈用も用意する。ブドウの他には、埼玉のブランド梨「彩玉(さいぎょく)」をはじめ梨10品種と、これからキウイフルーツの販売も始まる。「時期により品種は変わるが、珍しい品種の梨を取り揃えている。キウイフルーツは糖度の高い赤いキウイフルーツ、レインボーレッドが人気」とも。
営業時間は、10時~12時、14時~17時。水曜定休(収穫期間中のみ営業、不定期休みあり)。