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さいたま・見沼区で埼玉ブランドのジャンボ梨「彩玉」の出荷始まる

収穫した彩玉。大きなものでは1個1キロを超えるものも

収穫した彩玉。大きなものでは1個1キロを超えるものも

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 埼玉のブランド梨「彩玉(さいぎょく)」の収穫が8月中旬、見沼区で果樹園を営む「KM FRUITS JAPAN(ケーエムフルーツジャパン)」(見沼区片柳2)で始まった。

ヘビメタ感漂う直売所

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 彩玉は埼玉県農業技術研究センター久喜試験場が、大玉品種の「新高(にいたか)」と、ジューシーで糖度の高い「豊水(ほうすい)」を交配・育成した品種で、2005(平成17)年に品種登録された。栽培は埼玉県内に限定されており、さいたま市内では約10軒の果樹農家が栽培している。

 彩玉は大玉(550グラム以上)になるのが特徴で、大きなものでは1キロを超える。糖度も13度~14度と、一般的な梨(12度前後)より高く、ギフト用の高級品種として知られている。

 ケーエムフルーツジャパンの守屋一隆社長は、元ヘビーメタルバンドのベーシストという異色の経歴の持ち主。41歳で農業の道に入り、彩玉を育成した埼玉県農業技術研究センターで3年間果樹栽培を学んだ。現在は梨10品種と、シャインマスカットなどのブドウ17品種を栽培している。

 守屋さんは自身の子どものアレルギーをきっかけに、殺菌剤・殺虫剤・除草剤・化学肥料を使わない農法に取り組んでいる。「おいしい果物を作るためには土作りが何より大切。埼玉県農業技術研究センターに頻繁に足を運び、最新の栽培技術を取り入れながらも、農薬や化学肥料などに頼らない独自の栽培方法を工夫している」と話す。

 収穫した梨は自宅に隣接した直売所で販売。ブドウも同時期に収穫となるため、8月後半は多くの品種の梨・ブドウが店頭に並ぶ。中でも彩玉は市外から求めて訪れる客が多く、毎年完売する人気品種だという。この時期は、浦和美園地区限定栽培品種のブドウ「みそのいち」も収穫期を迎える。

 守屋さんは「今年は晴天日が多く成長が早かった一方で、雨が少なく水やりが大変だった。初収穫で糖度が14度近くあり、良い出来となった。8月下旬が収穫のピーク。9月上旬まで収穫が続く」と話す。

 直売所を訪れた浦和区在住の女性客は「初めて守屋さんの梨とブドウを食べて、おいしさに驚いた。以来毎年、直売所のオープンを楽しみにしている。彩玉は大きくて甘く、県外の方向けに贈るととても喜ばれる」と話す。

 営業時間は、10時~12時、13時~17時。水曜定休(収穫期間中のみ営業)。

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