日本漫画文化史初期を振り返る展示「これが漫画!~明治・大正・昭和を彩った漫画家たち~」が現在、さいたま市立漫画会館(さいたま市北区盆栽町)で開催されている。
旧大宮市出身の「近代漫画の祖」北沢楽天の住居跡に立ち、楽天と共に活躍してきた漫画家たちの資料を数多く収蔵する同館。同展は、近現代漫画家記念館共同巡回展の連携展示として、今年7月20日に生誕150周年を迎える楽天の作品をはじめ、楽天と同時期に日本漫画界を盛り上げた岡本一平や東京漫画会、明治・大正・昭和の時代を彩った漫画家たちの作品や資料を紹介しながら、近代漫画の成立と発展をたどる。
展示の前半は、楽天の漫画原画や日本初の連載少女漫画といわれる「とんだはね子嬢」原画、日本初のフルカラー漫画雑誌「東京パック」、楽天が創刊し編集も務めた「楽天パック」などを展示。同時期に活躍した岡本一平の作品や、新聞社の漫画記者たちに呼びかけて始まった「東京漫画会」の寄せ書きなどを特別展示する。
後半の「漫画家たちと戦争」の章では同館寄贈資料の中から、小川皿皿(武)が描いた国策紙芝居の草稿原画と完成版に、裏面のせりふ文章も併せて展示。松下井知夫による「伝単」なども並べる。新規収蔵品として、1967(昭和42)年に「漫画集団」が約1カ月かけて世界一周した世界旅行関連資料や、イギリスで1841年に創刊された「PUNCH」、高浜虚子と北沢楽天合作の掛け軸などを初公開する。
同館学芸員の石田留美子さんは「まだ『漫画』という言葉が浸透していなかった頃の北沢楽天作品から、手塚治虫などが参加した『漫画集団』世界一周旅行の初公開映像まで、日本漫画文化の礎を築いた漫画家たちの貴重な資料を公開している。ぜひ、多くの人に見てもらいたい」と話す。
開館時間は9時~16時30分。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)。入館無料。3月15日には手話通訳と文字による情報保障付きの「ゆっくり鑑賞会」、4月19日、5月17日は同館学芸員によるギャラリートーク(14時~、約30分)を開く。5月3日~5日の10時~15時には、ボランティアによる館内ガイドを行う。共に参加無料、事前申し込み不要。5月31日まで。