大宮浅間(せんげん)神社(さいたま市大宮区浅間町)で7月1日、子どもの健やかな成長を願う「初山参り」が行われ、一年に誕生した子どもを連れた親子が多く訪れた。
浅間神社は関東~中部地方に広く分布する、富士信仰の神社。大宮浅間神社は江戸中期頃に見沼田んぼの新田開発測量のために築いた見晴らしの良い山の上に、のちに神社を祭ったと言われている。頂上には神社のほか、幕末~明治に活躍した剣豪の山岡鉄舟の揮毫(きごう)した「浅間祠」の碑があり、地域住民が大切に管理している。
「初山参り」は、富士山の山開きの日にあたる7月1日8時~16時に毎年行われている伝統行事。1年間に生まれた子どもを抱いて山を登ってお参りし、おはらいを受けた後、子どもの額に「初山」の朱印を押してもらうことで、子どもの健やかな成長を祈る。
行事は、浅間町の地元住民を中心に約50人で行っている。自治会長の秋山さんは「初山に合わせて、草刈りを行うなどきれいにしたほか、雨よけの覆いなども準備した。最近はインターネットで行事を知った人なども多く訪れるようになったが、地域から引っ越した人が遠く北海道や九州からこの行事のために帰ってくるのがうれしい」と話す。
先月生まれたばかりの子どもを連れた親子は「イベントの存在は知っていたが、子どもが生まれたので初めて訪れた。朱印を押してもらい、健康に育ってほしい」と話していた。